大川周明と近代中国
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大川周明と近代中国
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第五回華人学術賞受賞作品
推薦の言葉
●和田守 大東文化大学学長・法学部教授
「大川周明における近代中国とのかかわりの全容を解明した優れた業績」
●村田雄二郎 東京大学大学院教授
「近代日中関係の錯綜した一面に犀利な分析を加えた労作」
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【目次】
序 章
第一章 認識論の原点と中国への視点(1912〜1918)
第二章 両面価値的世界認識と中国(1919〜1926)
第三章 満蒙問題と国民革命への対処(1926〜1931)
第四章 満州から華北・本土へ(1931〜1937)
第五章 日中戦争と秩序再建(1937〜1945)
終 章
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【内容紹介】 大正・昭和戦前期は、日中関係史における大きな激動期・転換期であった。その中で大川周明は代表的な「アジア主義者」として、日中関係史の在り方について種々の認識や活動を展開し、影響力をもった代表的人物の一人である。しかし、その中国との関わりに対する全体的、体系的把握はこれまで行われていない。
本書では大川の対中国認識や行動の全貌と特質を考察し、その思想史的意味を探るため、中国に対する大川の認識と行動について、その形成と推移の過程を、大正初年から日中戦争終結まで系統的に検討していくことを具体的課題とした。特に同時代の中国情勢についてどのような見方をしていたのか、他方で日中関係の構築について実際にはどのように対処していたのかという、彼の認識と行動の両輪およびその結びつきに力点を当てて考察した。
具体的には、(1)総論的には、大川の重要な特質や役割を伴う体系的な中国観ないし関連活動があることを明らかにした。これまで知られていないかった大川像を描き出し、これにより、竹内好や橋川文三以来多くの学者が知ろうとした「大川と中国」の謎を大きく解明した。(2)大川の中国認識が、その対英・米・露(ソ)・イスラム・インド・東南アジア観と有機的に連動し、それらを包含した世界戦略・国際観の最も重要な一環を構成したことを示した。(3)大川の対中国認識・政策論と政治思想・理念との関連をより明らかにした。(4)日中関係に対する大川の秩序構想と、国策の方向や中国情勢の主体的変動との影響の関係を分析した。(5)同時代の人物との思想的関連ないし連鎖を探った。日中両国の民間人・中堅軍人・政治家など大川の周辺にいた関連人物との比較検討を通じて多角的に追跡し、近代アジアの歴史空間における知的連鎖の一部を実証した。
本書は、また、日中ともに受け入れられるような研究成果を打ち出し、昨今の日中近代史認識問題の解決にある種の手がかりを見出し、架橋機能を果たすことを目指したものでもある。
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【著者略歴】 呉懐中 1970年中国南京市生まれ(本籍は揚州市)。1991年、(北京)国際関係学院卒業。1994年、北京外国語大学・北京日本学研究センター修士課程終了。1994〜1998年、同大学・同センター助手・専任講師。1999〜2001年、東京大学大学院文部省国費研究留学。2001年〜2004年、名古屋大学大学院博士課程国費留学、法学博士。2005年より中国社会科学院日本研究所勤務(日本外交・安保政策・日中関係史専攻)。
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書名 大川周明と近代中国
著著 呉懐中
出版 日本僑報社
判型 A4版サイズ 246頁
定価 6800円+税
発行 2007年7月24日
ISBN 978-4-493149-060-8 C0036
注文先 http://duan.jp/item/060.html
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