「ポストコロナ時代の若者交流」テーマに

第3回「日中ユースフォーラム」オンラインで開催

世界6カ国から100人余りが参加

 

 

 

 

【日本僑報社発】日本僑報社は、日中青年交流の会との共催、東芝国際交流財団の協賛となる第3回「日中ユースフォーラム」を1129日(日)午後、初めてオンラインで開催した。

 

これは、日本僑報社が主催する「中国人の日本語作文コンクール」と「忘れられない中国留学・滞在エピソード」の受賞者にそれぞれ貴重な体験談を語ってもらい、相互理解を深めるとともに、両国の交流促進へのヒントを探ろうとするもの。とくに今回は「ポストコロナ時代の若者交流」をテーマとして、若者らしいフレッシュな提言をそれぞれに発表してもらった。

 

第3回「忘れられない中国滞在エピソード」表彰式に続く初のオンライン・フォーラムには、日本と中国をはじめ、アメリカ、フランス、カナダ、シンガポールなど世界6カ国から100人余りが参加。インターネットを通じた若者交流への関心が高まっていることがうかがえた。

 

 

フォーラムではまず、このほど中国に着任したばかりの垂秀夫日本大使の祝辞が披露された(代読)。

 

垂大使はフォーラムの開催に祝意を表するとともに、日本大使館が後援する「中国人の日本語作文コンクール」について触れ、「(今年の受賞作は)新型コロナウイルス蔓延という状況下にあっても一所懸命に日本語と日本文化を勉強し、日中相互理解を深めることについて具体的に述べられていた。こうした一人ひとりの強い意志や信念が、これからの日中関係の発展を支える原動力になると考える」と強調。その上で「若い世代の皆さんには、これからも引き続き語学を始めとする各分野で研鑽を積み、日中関係の担い手、両国の間の懸け橋となるよう期待する」と励ましの言葉を述べた。

 

 

続いて、北京語言大学への留学経験を持つ近藤昭一衆議院議員(立憲民主党企業・団体交流委員長、中国留学経験者同窓会会長)が挨拶し、その留学の思い出について触れながら「フォーラムを通じて(自身の交流経験のように)世々代々と続く『真の友情』が育まれることを願う」と期待を示した。

 

また、復旦大学への留学経験を持つ矢倉克夫参議院議員(公明党青年交流委員会委員長)が挨拶で、開催への祝意を表した。

 

 

本フォーラムの協賛団体である公益財団法人東芝国際交流財団の大森圭介専務理事、そして本フォーラムに毎回のように参加している東京都港区議会の中前由紀議員はそれぞれ挨拶で、意欲あふれる“若者パワー”を称賛し、フォーラム支援を続けていきたいと明らかにした。※挨拶全文はここ

 

フォーラムでは、以下のコンクール受賞者(日中各6人)が報告者として、それぞれの体験報告や「ポストコロナ時代の若者交流」についての提言をした。中国側は、各報告者の指導教師も参加した。

 

<中国側報告者>

萬園華さん 第16回最優秀賞・日本大使賞、大連外国語大学4年生

李矜矜さん 第16回1等賞、安徽師範大学3年生

陳朝さん  第16回1等賞、清華大学3年生

孔梦歌さん 第16回1等賞、西安電子科技大学3年生

彭多蘭さん 第16回1等賞、東北財経大学大学院2年生

劉昊さん  第16回1等賞、南京師範大学4年生

 

 

<日本側報告者>

池松俊哉さん 第3回最優秀賞・中国大使賞、会社員

岩崎春香さん 第3回1等賞、看護師

久保田嶺さん 第3回2等賞、動画クリエイター

有田穂乃香さん 第3回3等賞、同志社大学四年生

鈴木あいりさん 第3回3等賞、高校生

高橋稔さん  早稲田大学学生、北京大学留学経験者、第2回3等賞

 

その中で、第16回日本語作文コンクールで最優秀賞を受賞した萬園華さんは「私たちを言葉が繋ぐ」と題した受賞作について触れ、今年のコロナ禍を乗り越えられたのは第一線で戦った医療従事者や国民の努力はもちろん、「日本をはじめ世界各国からの支援」があったからだと謝意を表明。その上で「日本語専攻の学生として、日本語をしっかり学びたいという気持ちが一層強くなった」と流暢な日本語で決意を新たにした。

 

「ポストコロナ時代の若者交流」については、外国との往来はまだ制限されているが、「人と人のつながりは断ち切れてはいないはず。中日両国の青年たちはネットを通じて交流を続けてきた。ポストコロナ時代は、こうしたネットでの交流経験を生かして、新しい豊富多彩な交流方式を創造していくべきだ」などと提言した。

 

第3回中国滞在エピソードで2等賞を受賞した久保田嶺さんは「ポストコロナ時代の若者交流」について、インターネットを通じて中国の視聴者向けに動画を発信している自身の活動を紹介。現在、ネット上では日中の若者交流がかつてないほど盛んに行われており、この流れは変えられないとした上で、「できるだけ早く中国へ行き、動画配信の活動を続けて、将来の日中交流を引っ張っていけるような存在になりたい」と大きな希望を語った。

 

 

コメンテーターとして、以下のコンクール関係者や歴代受賞者たちがそれぞれ今回の報告者を激励。

白井純氏 公益財団法人東芝国際交流財団顧問※コメントはここ

陶金さん 第1回1等賞、大連海事大学副教授、日本語学部主任

白宇さん 第12回日本大使賞、南京日本文化交流センター共同創業者

張君恵さん 第1213回1等賞、長沙中日文化交流会館副館長

小椋学さん 第3回エピソード2等賞、南京郵電大学日本語教師

前川友太さん 第3回エピソード3等賞、河北工業大学日本語教師

 

最後に、朝日新聞の古谷浩一論説委員(前中国総局長)が総括し、今年はコロナ禍を受けて世界が大きな影響を受けたが「悪いことばかりではなく、こうしたオンライン・フォーラムを通じて、皆さんの前向きな企画力、行動力、発信力に触れることができ、感動したし、感心した。これからも(紙面などを通じて)応援していきたい」などと参加者たちにエールを送った。