日本大使賞の授与式では、横井大使が宋妍さんに賞状を授与したほか、日中交流研究所の段躍中所長(日本僑報社編集長)が副賞の「日本1週間招待」について発表した。
続いて上位入賞の1等賞(5人)、2等賞(15人)、3等賞(60人)受賞者がそれぞれ発表され、この日のために中国各地から駆けつけた受賞者たちに賞状と賞品が授与された。メディアパートナーの朝日新聞社からは、2等賞以上の受賞者に対し「これで日本語の学習に一層励んでほしい」と朝日新聞が半年から1年間、無料で閲覧できる「朝日新聞デジタルID」がプレゼントされた。
受賞者代表のスピーチでは、日本大使賞受賞の黄安琪さんをはじめ、1等賞受賞の邰華静さん(青島大学、現在は天津外国語大学大学院に在学中)、王美娜(おう・びな)さん(中南財経政法大学、6月に卒業)、劉玲(りゅう・れい)さん(華東師範大学)、呉曼霞(ご・まんか)さん(広東外語外貿大学南国商学院)の5人が登壇。
日本の進んだバリアフリー化は「『平等』や『愛』を伝えるメッセージであるだけでなく、不幸な人の心を癒し、幸せにする『薬』なのだ」と訴えた黄安琪さんのほか、旅行先の東京でなくした財布を民泊の大家さんが親身になって探してくれ、「(日本には)困った時、助けてくれる優しい人がたくさんいる」と声を詰まらせながら感動的な体験を述べた王美娜さんなど、それぞれが受賞作を堂々とした日本語で発表。さらに一人ひとりが受賞の喜びや感謝の気持ちを堂々と発表するなど、日ごろの学習の成果を存分に発揮した。
来賓の挨拶に続いて、日中交流研究所の段躍中所長が本コンクールの開催について、壇上のスクリーンに図表などを映し出しながら報告。
コンクールは、この14年間で中国全土の300を超える大学や大学院、専門学校などからのべ4万1490本(人)の応募があり、うち受賞者(佳作賞以上)はのべ2115人を数える。こうした実績により、コンクールはいまや中国で日本語を学ぶ中国人学生にとって「参加すること自体が大きな目標になる」ほどの知名度と権威性の高い大会へと成長を遂げてきた。
さらに、コンクールの入選作品をまとめた「受賞作品集」をこれまでに14巻刊行(いずれも日本僑報社刊)。合わせて912本に上る上位入賞作品を掲載し、日中両国のメディアに多数報道されているほか、「中国の若者の声」として各界から注目されていることなどが紹介された。