第18回「中国人の日本語作文コンクール」 表彰式・日本語スピーチ大会 オンラインで盛大に開催 日本僑報社・日中交流研究所主催、在中国日本国大使館など後援の第18回「中国人の日本語作文コンクール」の表彰式と日本語スピーチ大会が、12月12日午後オンラインにて開催され、日中両国から約200人が参加した。 主催者代表日本僑報社段躍中編集長が開会を宣言し、冒頭で挨拶の言葉と来賓紹介を行った。 垂秀夫大使 垂秀夫在中国日本国特命全権大使がまず来賓挨拶を行った。垂大使は新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えてオンラインで表彰式が開催されたことを祝し、コンクール入賞者に祝辞の言葉を述べた。 また、コンクールに向けて学生たちを指導してきた多くの日本語教師たちの尽力への感謝の言葉を述べ、18年間、日中関係がいかなる状況でもコンクールを開催し続けてきた主催者や関係者らに、敬意と感謝の意を表した。 垂大使は李月さんの作品が最優秀賞(日本大使賞)を受賞した理由として、おにぎりの中国語訳である「飯団(fan tuan)」という言葉からお米一粒一粒の集合体であることに着眼し、おにぎりを日中関係に例えながらその「粘り」の重要性を説くといった豊かな発想力や、それらを高い水準の日本語を用いて論理的に表現したことなどを挙げた。 最後に、垂大使は入賞者をはじめとする出席者たちに、「引き続き日本語を始めとする各分野で研鑽を積み、将来どのような立場につかれても、日中両国の間の架け橋となっていただけるよう期待しています」とコメントし、コンクールの参加者たちが作文で描いた夢が一つでも多く実現することを願い、挨拶を締めくくった。 大使賞を受賞した李月さんのスピーチでは、感謝の言葉とともに自身の受賞作を紹介。日中国交正常化50周年を迎え、「次の50年」に向けてこれからの夢と抱負を語った。 優秀指導教師を代表し、李月さんの指導教師である高橋智子先生が挨拶を行い、受賞作にまつわるエピソードを披露。作文指導の具体的で実践的な例を紹介した。 続いて協賛企業である株式会社PPIH執行役員・公益財団法人安田奨学財団選考委員の馬場哲郎氏が挨拶し、コロナ禍の中コンクールが無事開催されたことを祝し、PPIHのアジア展開を挙げ、国際交流に励む若者たちにエールを送った。 株式会社東芝執行役員兼中国・東アジア総代表の宮崎洋一氏は、北京で受賞者に直接会えないことを惜しみつつ、日中両国の未来のために、民間レベルの相互交流の促進が大きな役割を果たすだろうとメッセージを送った。 メディアパートナーの朝日新聞社林望中国総局長の挨拶では、日中関係促進の夢を持つ中国の若者たちにオンラインで出会えたことへの喜びの言葉を述べるとともに、一等賞以上の作品6本を一本ずつ触れて講評し、受賞者から高い評価を受けた。 一部参加者による記念写真 記念撮影の後、第二部は一等賞受賞者5名の表彰式およびスピーチで幕を開けた。 天津外国語大学の郭夢宇さんは誤訳問題の解決をテーマとして「産学協同」を提唱。広東理工学院の周美彤さんは日本人に対する壁やメディア報道における偏見の多さ、オンライン交流などについて語った。北京第二外国語学院の張紀龍さんは多言語表記における誤訳を減らすためのアイデアを提案。中央民族大学の繆名媛さんは日本語教師の先生にまつわる思い出をテーマとした作文で受賞。西安交通大学の厳穆雪さんはコロナ禍の状況下で、国境を超えたレシピの交換を提案した。 朝日新聞2022年12月13日掲載 続いて一等賞受賞者の指導教師による挨拶。天津外国語大学の菊池明日香先生、中央民族大学の吉田理華先生と西安交通大学の久川充雄先生は·、自分の指導方法を紹介し、情熱を持ってコンクールに挑戦する学生たちにメッセージを送った。 次に、来賓の株式会社PPIH広報室橋本京子氏が、入賞者への祝福と関係者への感謝の言葉とともに、「国や文化が違っても相手を思う気持ちに違いはない」と語った。公益財団法人東芝国際交流財団専務理事の大森圭介氏は、それぞれの受賞作について、それぞれの立場から日中両国のよりよい未来のためにできることを自分の言葉で語っていることを高く評価し、両国の明るい未来へ期待を述べた。在中国日本国大使館貴島善子公使が昨年に引き続きご挨拶を行い、受賞者たちに、将来日中両国や国際社会に橋を渡す人材として期待を込めつつ、国際交流のための提言を行った。 最後に、段躍中日本僑報社代表が、2023年開催の第19回「中国人の作文コンクール」のコンセプト「日中平和友好条約締結45周年を思う」を発表し、表彰式は盛況のうちに幕を閉じた。 2022年は日中国交正常化50周年の節目の年であり、受賞作品集のタイトルは『日中「次の50年」』。中国の大学や大学院、専門学校、高校など205校から、昨年を上回る3362本の応募作品が寄せられた。 協賛・協力各社と後援団体名簿 |