私の作文指導方法 大連理工大学城市学院 閻 萍 はじめに 大学の日本語専攻における教育プログラムでは、日本語科目のコアカリキュラムは通常、基礎日本語、上級日本語、日本語視聴説、日本語作文、日本語通訳及び日本語翻訳の6科目で構成される。2022年度生の日本語作文関連科目の設定を例にとると、第3学期に基礎日本語作文(一)、第4学期に基礎日本語作文(二)、第5学期に学術作文と研究方法の科目が開設されている。基礎作文、学術作文及び研究方法の担当教員として、また日本語作文の重点科目の責任者として、私はチームの教員と連携して授業を運営し、カリキュラム構築に携わる一方、日本語リーディングライティングトランスレーション(RWT)サークルの指導も担当している。教育実践においてはその他のコア科目の授業も担当しており、この過程で私の作文指導方法は絶えず洗練され続けている。 日本語の主要科目における作文能力の育成 第1学期から第4学期までの基礎日本語の段階では、日本の社会文化領域を主な内容とする論述、叙述と説明などの題材を用いた文章の読解学習を通じ、学生にJLPT N2レベルに相当する文型や文法知識を習得させるともに、様々な文体の作文技法と翻訳方法をさらに掌握させ、初歩的なコミュニケーション能力の構築を完成させる。第5学期から第6学期までの上級日本語科目では、JLPT N1レベルに相当する日本語の長文学習を通じ、思考と議論による問題分析・解決能力を育成する。言語及び社会文化現象の分析を通じ、異文化間コミュニケーションを可能とし、学生の論理的かつ批判的な思考力の発達を促す。 私は基礎日本語コースから上級日本語コースに至るまで、学生の日本語作文能力を段階的に育成するという教育理念のもと、語彙力強化、論理構築、文体規範といった核心要素を中心にカリキュラムを設計し、学生の日本語作文能力を段階的に向上させている。期末試験には作文試験を組み込み、「教育−訓練−評価」の閉ループを形成することで、学生の日本語作文能力の実践的な習得状況を正確に測定している。 日本語の作文教育システムにおける作文指導 基礎日本語作文(一)の指導段階では、まず講義法で基礎を教え、学生に書式、文体と書き方を習得させる。事例教授法を通じて、叙述文、説明文、論説文と書簡など各種文体の書き方を習熟させ、文字数は段階的に350〜400字を目指す。書き方指導では、表現の正確さと文章の流暢さを重視する。 基礎日本語作文(二)の授業段階では、能力育成と実践的交流を中核として、テーマ別授業とグループ協働を融合させる。環境問題、共生社会、AI技術の応用などのテーマを媒体として、授業内で学生グループ討論を組織し、共同で文章のマインドマップを作成し、執筆の筋道を整理する。授業後には個人及びグループの実践調査を課し、学生が実情を把握して実践と結びつけた文章作成を習得できるようにする。初稿完成後、まずグループ討論で修正意見を交換し、作文発表を通じて教師と学生が共同で議論し、内容の論理構成や言語表現などの問題点に焦点を当てて作文を最適化する。同時に、書き換え、要約トレーニングと600〜1200字の制限時間付きライティング課題を組み込み、素材蓄積と構成力強化を支援する。規範的な執筆習慣を養成し、オンラインとオフラインを融合した指導方法で、基礎的な文章作成から高度な応用能力への飛躍を実現し、作文コンクールに向けた準備も整える。 日本語学術論文指導の段階では、規範、実践と向上という論理に基づいて作文指導方法を構築する。まず学術論文執筆の原則を指導し、論文のテーマ選定に焦点を当て、テーマ選定の意義、原則と方法を分析する。学生に文献収集の方法を指導し、文献レビューと研究計画書の書き方を教授する。論文の構成を詳しく指導し、アウトライン、序論及び結論の執筆要領を強化する。言語、文学から社会文化研究など多分野にわたる専門論文を対象に、評価と分析を結びつけ、執筆訓練を実施し、学生が研究報告書や論文を自立して執筆できる指導目標を達成する。 日本語RWTサークルにおける作文指導 2013年に日本語翻訳作文サークルが設立された。それは実践応用への転換を推進し、学生のチームワーク能力と競争力を育成するためである。その後、サークルは読み書き訳の実践を統合し、「日本語リーディングライティングトランスレーション(RWT)サークル」へと改称した。 私は一貫して同サークルの指導教員を務め、学生が読書によるインプット、翻訳による架け橋、作文によるアウトプットを実践するよう指導している。毎学期、学内で日本語賦詩大会などの活動を主催し、学外各種コンクールへの出場者を選抜し、コンクールを通じて学習を促進する。 作文指導は言語教育の中で最も挑戦的でありながら、最も温かみの部分であると感じている。作文は、学生が日本語で思考を表現する媒体であり、一文字一文字に彼らの言語理解、生活観察、異文化交流への躊躇や試みがにじみ出ている。コンクール作品の指導においては、QQやウイチャット、「超星」、「雨課堂」などのオンラインプラットフォームを活用し、学生とアイディアのキャッチボールが非常に重要だと考えている。これにより、作品をより効果的に完成させ、学生の創造力やインスピレーションを引き出すことができる。 又サークル指導は学生の日本語作文の基礎を固め、留学、学院入試及び就職に向けた基盤づくりにも貢献している。 おわりに 上記の内容は日本語の作文科目を主に、「基礎−上達−応用−成果」という日本語作文指導のロジックに基づいている。 第3学期の基礎日本語作文(一)では「規範的な表現」の基礎指導を固め、第4学期の基礎日本語作文(二)では「正しく書く」から「流暢で内容のある文章を書く」への上達を実現する。第5学期の「学術作文と研究方法」では「日常作文」から「学術規範作文」への飛躍を成し遂げる。基礎日本語作文科目、学術論文執筆と研究方法科目、RWTプロジェクトチームの課外活動指導は、他の日本語主要科目における日本語作文指導との連携をし、基礎から上級へ、理論から実践へ、単一から総合へと段階的に進みつつ相互補完する関係を形成し、一体となった日本語作文指導の体系を構成している。このシステムの中で、私が日本語作文の指導を続けている。 |