表彰式・日本語スピーチ大会、盛大に開かれる
―北京の日本大使館で、約200人が出席―
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 日本僑報社・日中交流研究所主催の「第11回中国人の日本語作文コンクール」の表彰式と日本語スピーチ大会が12月12日(土)午後、北京の在中国日本大使館で、木寺昌人大使をはじめ上位入賞者ら関係者約200人が出席して開かれた。
(表彰式共催:日本大使館、コンクール協賛:株式会社ドンキホーテホールディングス、東芝国際交流財団、メディアパートナー:朝日新聞社)

 来賓として、日本大使館の山本恭司公使、(株)ドンキホーテ ホールディングスの橋光夫専務取締役兼CFO、東芝国際交流財団・代表で東芝中国有限公司の宮崎雄行副総裁、朝日新聞社の古谷浩一中国総局長、丸紅常務執行役員中国総代表で中国日本商会の田中一紹会長、日中文化交流センターの李欣立代表、中国人の日本語作文コンクール推進大使で日本語教師の笈川幸司氏らが出席した。

 中国で日本語を学ぶ学生を対象として2005年にスタート、今年11年目を迎えたこのコンクールには、中国各地の大学や専門学校など180校から4749本に及ぶ過去最多の応募作が寄せられた。
 日中関係の改善が待たれる難しい時期であったにもかかわらず、応募作が過去最多を記録したことにより、中国の若者たちの日本への関心と日本語学習への意欲の高さが示された形となった。
 
 今回のテーマは、(1)日中青年交流について―戦後70年目に両国の青年交流を考える (2)「なんでそうなるの?」―中国の若者は日本のここが理解できない (3)わたしの先生はすごい―第1回 日本語教師 “総選挙” in中国――の3つ。

数次にわたる厳正な審査の結果、最優秀賞の日本大使賞など計264人(作品)が入選を果たし、山東政法学院(現在4年)の張晨雨(ちょう・しんう)さんの 「なんでそうなるの? 好きやねん、大阪」 がみごと最優秀賞に輝いた。
「好きやねん、大阪」 は、大阪に住む中国の叔母さんを通じて大阪の不思議でおもしろい魅力に引かれ、いつか自分の目で本物の大阪を見たいという若者らしいフレッシュな思いにあふれた作品。

表彰式で木寺大使は、今年第11回を数えるこのコンクールに対し「コンクールは今や日本語を学ぶ中国人学生にとって、参加することが大きな目標になるほどの大会に発展した」と高く評価。
その上で、「将来にわたり安定した日中関係を築くために大切なのは、若い世代がさまざまな交流を通じて“感動の共有”を積み重ねること。感動を共有した者同士は、親近感がわいて簡単に争うことはない。日本と中国の未来を担う若者たちで、一緒に感動する機会を増やしてほしい」などと、日本語を学ぶ中国の学生たちにエールを送った。

日本大使賞の授与式では、木寺大使から張晨雨さんに賞状が贈られたほか、「日本1週間招待」の副賞が与えられた。

 
  続いて上位入賞の1等賞(5人)、2等賞(15人)、3等賞(50人)受賞者がそれぞれ発表され、この日のために中国各地から駆けつけた受賞者たちに賞状と賞品が授与された。

 受賞者代表のスピーチでは、日本大使賞受賞の張晨雨さんをはじめ、1等賞受賞の雷雲恵さん(東北大学秦皇島分校)、莫泊因さん(華南理工大学)、張戈裕さん(嶺南師範学院)、翁暁暁さん(江西農業大学南昌商学院)、陳静?さん(常州大学)の6人が登壇。

大阪に住む叔母さんを通して、大阪人の温かな人情や大阪弁・漫才のおもしろさを知り、大阪へいつか行きたいという熱い希望を語った張晨雨さん、また「私は折り鶴になりたい――平和な世界のために」と題し、ふるさと南京での慰霊祭に日本から伝わった折り鶴を供え、複雑な思いをした小学生時代を振り返りながら、日中の若者は交流を通して互いの真の姿を見つめるべきだと訴えた陳静?さんら、それぞれが流暢な日本語で受賞作などを発表した。

 

 来賓挨拶に続いて、日本僑報社の段躍中編集長(日中交流研究所所長)がコンクール11年の歩みを、これまでの記録写真をスクリーンに映し出しながら報告。
  コンクールは「中国の日本ファンをもっと応援しよう」との方針のもと、(1)「日本ファンを育てること」 (2)「日中の絆」「アジアの絆」「世界の絆」の礎を作ること (3)それらが最終的には日本の安全保障や日中友好につながる――という思いを目的に2005年にスタート。この11年で約300の大学から延べ2万7981人の応募があり、うち受賞者が延べ1221人に上った。
 こうした実績により、コンクールは「中国で日本語を学ぶ学生の間で、最も権威のある日本語作文コンクール」「日中交流の貴重なプラットフォーム」として定着してきた。

 さらに、コンクールの入選作品をまとめた「受賞作品集」をこれまでに11冊刊行(いずれも日本僑報社刊)。合わせて約670点に上る優れた作文を掲載し、多くのマスメディアやウェブメディアにさまざまな形で報道されているほか、「中国の若者の声」として各界から注目されていることなどが紹介された。
 段躍中編集長は11年にわたる各界からの支援に感謝の意を述べるとともに、「日本語学習を通じて日本への理解を深めた学生たちを、これからも応援していただきたい」と、コンクールへの一層の理解と支援を呼びかけた。

続いて、来年の第12回コンクールのテーマが発表された。テーマは3つあり、(1)訪日中国人、「爆買い」以外にできること (2)私を変えた、日本語教師の教え (3)あの受賞者は今――先輩に学び、そして超えるには。

 応募期間は2016年5月9日から5月31日。主催者側から「引き続き、多くの皆さんに参加いただきたい」との呼びかけがあった。

 

 表彰式第1部の「学生の部」に続く第2部は「先生の部」として、今年より創設された「優秀指導教師賞」と「指導教師努力賞」の受賞者をそれぞれ発表。
 「優秀指導教師賞」は、コンクール3等賞以上の受賞者を育てた教師に対して、その日ごろの努力と成果をたたえる賞、また「指導教師努力賞」は、団体応募の作文本数が30本以上に上った教師をたたえる賞として、該当者にそれぞれ授与された。

 また、その中でもとくに「優秀指導教師賞」受賞者である山東政法学院の藤田炎二先生、東北大学秦皇島分校の濱田亮輔先生、華南理工大学の金華先生、江西農業大学南昌商学院の森本卓也先生、常州大学の古田島和美先生の5人に対し、段躍中編集長から「日本語作文コンクール推進大使」を任命し、辞令を交付。
 5人の教師からはそれぞれ、貴重なコンクールへの参加体験や「作文の書き方指導」などに関する報告があった。


 この後、受賞者と来賓、主催者らが全員そろっての記念撮影が行われた。
受賞者たちはにこやかな笑顔を見せるとともに「受賞を励みに、さらに日本語学習に励みたい」「来年も応募します」などと語り、新たな一歩を踏み出していた。

 

木寺昌人大使:「日中の若い世代が、感動の共有を積み重ねて」
 
 木寺昌人大使の挨拶は以下の通り。
 第11回中国人の日本語作文コンクールに入賞された皆様、本当におめでとうございます。
このコンクールは今や日本語を学ぶ中国人学生にとって、参加することが大きな目標になるほどの大会に発展し、今年は過去最高となる180校、4749名から応募があったと段躍中さんがおっしゃっています。
 日中関係がどのような時期であっても、一貫して開催し続けてこられた段躍中さん。そしてその活動を一貫して支援されてきた関係者の皆様に、この場をお借りして心からの敬意と感謝の意を表したいと思います。

 昨年もこの場で申し上げましたが、今の日中関係、とりわけ日中両国の未来を担う若者たちの間で必要なこと、それは「感動の共有」です。一緒に感動することです。私の妻は、1984年の「日中3000人交流」に参加した経験があります。また私自身も1986年に中華全国青年連合会(全青連)の招聘で中国を初めて訪問し、その際に中国側の関係者と感動を共有したことが、私と家内の中国とのつながりの原点になっています。

 感動を共有した者同士は、親近感が湧きます。そのことはもちろんですが、簡単に争ったりすることはありません。私は将来にわたって安定した日中関係を築くために、何よりも大切なことは、皆さんのような若い方が、若い世代が、さまざまな交流を通じて感動の共有を積み重ねていただくことだと確信しています。

 この度、日本大使賞を受賞されました山東政法学院の張晨雨(ちょう・しんう)さん、作文のタイトルは「好きやねん、大阪」です。北京と上海、東京と大阪の間にあるお互いのけなし合い、そういった事例から始まって、大阪人の大阪弁への愛着の様子や、プロの漫才師でなくても相手を笑わせようとする大阪人の行動特性が大変じょうずに描写されています。
 実は私のルーツは大阪です。私の曽祖父、ひいおじいちゃんまで大阪で商人(あきんど)をやっておりました。だから張さんの作品を拝見した時、張さんの大阪に行きたいという気持ちや大阪に対する愛着がすごく伝わってきまして、私も大変うれしく思いました。ぜひ近い将来に夢を実現され、大阪を訪問されることを大いに期待しています。

 日中関係は今、改善に向かう長い上り坂にあります。これが、ここで日本大使をしております私の実感です。長い上り坂を歩く時、歩みを止めては、坂は上がれません。私自身、今年を振り返ってみれば、上り坂をずっと休むことなく歩き続けてきた1年、という気持ちでおります。そしてこの上り坂の向こうには、きっと素晴らしい景色が待っていると。私はこの景色を皆さんと一緒に見たい。だからこそ皆さんも、日本語を学んだ経験を生かして、将来にわたって日中間の日中友好の架け橋として活躍されることを大いに期待しています。

 最後になりますが、今回から受賞した学生を熱心に指導されてこられた日本語教師の皆様にも表彰式を行うことになりました。私はこの場を借りて、受賞者の皆様に心からの敬意を表したいと思います。
 本日の表彰式及び受賞者代表によるスピーチの成功を心から祈念しまして、今日もここで新たな感動の共有があると思いますけれども、それを大いに期待して、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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