第15回のテーマについて
【趣旨説明】
 
1.東京2020大会に、かなえたい私の夢!
2.日中新時代を考える――中国の若者からの提言
3.今こそ伝えよう!先生、家族、友だちのこと
 
 
1 東京2020大会に、かなえたい私の夢!
 
 2020年の夏、オリンピック(五輪)とパラリンピックが日本にやってきます。東京で夏季五輪が開かれるのは、1964年以来56年ぶり2回目です。
  この東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)が掲げる大会ビジョンは、「すべての人が自己ベストを目指し(全員が自己ベスト)」「一人ひとりが互いを認め合い(多様性と調和)」「そして、未来につなげよう(未来への継承)」を3つの基本コンセプトとし、「史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会とする」こと。
 分野的・時間的・地域的に広がりを持った、これまで以上に世界に開かれ、世界とつながる熱い大会になることが期待されています。トップアスリートによる競技大会を成功させることはもちろん、すべての日本人が世界中の人々を最高の「おもてなし」で歓迎することも、目標として掲げられています。つまり東京2020大会は、東京をメインステージにした国際交流のグッドタイミングであるともいえるでしょう。
 
 そこで、中国で日本語を学ぶ若い皆さんに「東京2020大会に、かなえたい夢」について自由に書き綴っていただきたいと思います。東京2020大会を念頭にして、その時に(あるいはその時までに)自分はどうなりたいか、どういうことをしたいか、日本で(あるいは中国で)大会をどのように盛り上げたいか……。
 大会への関わりは直接的でも間接的でも、あるいは全く関係がなくても、2020年のその年に照準を合わせたものであれば、スポーツに限らずどのような内容でも構いません。もちろん中国の2008年北京五輪での経験や、2022年北京冬季五輪への提言について触れていただいても結構です。
 若者らしい柔軟な発想、フレッシュな感性、多様な視点で、2020年への大いなる夢を語ってください。

2  日中新時代を考える――中国の若者からの提言
 

 日中平和友好条約締結40周年にあたる2018年は、日中両首脳の相互訪問が数年ぶりに復活しました。中国の習近平国家主席は、首脳会談の席で最近の両国関係について「双方の努力の下、正しい軌道に戻り、前向きな勢いがある」と評価。日本の安倍晋三首相は「競争から協調へ。日中関係を新しい時代へと押し上げていきたい」と表明しました。
 日中両国は、これまで一時的に曲折はあったものの、国交正常化(1972年)と平和友好条約締結(1978年)からそれぞれ40年余りを経て、ようやく「『対等のパートナー』を目指す方向を確認した」との評価もあります。
 関係改善の勢いは、いっそう増しているようです。中国がいま、習主席の提唱する「新時代」を突き進むのと同じように、日中関係にも「新しい時代」がやってきたのかもしれない――そうした期待も高まっています。

 このような情勢のもと、今後の日中関係はどうあるべきか? これからの両国関係に求められること、両国がともに目指すべきことは? 未来の両国関係にとって重要なこととは何か?
 「日中新時代」について、また「日中新時代」のあるべき姿、理想像などについて、若者ならではの自由な発想で考えをまとめてください。
 新時代の両国における分野は、経済、社会、歴史、文化、科学技術、芸術、スポーツ、教育、観光、メディアなど多岐にわたることでしょう。ただしこのテーマでは、古くからの既成概念やステレオタイプな考えにとらわれることなく、より身近で具体的、かつ創意に富んだフレッシュな意見を出してください。もちろん、生き生きとした自身の体験を踏まえての“未来展望”でも構いません。
 斬新でユニークなあなたの提言が、これからの新しい日中関係構築の一助となることを期待しています!


3  今こそ伝えよう!先生、家族、友だちのこと
 
「中国人の日本語作文コンクール」には毎年、多くの力作や労作が寄せられます。これは常日頃より学生たちを熱心に指導されている日本語教師のご尽力の賜物と、心より敬意を表します。
 中国では近年、日本語学習者数が約100万人に上り、世界一の日本語学習大国となっています。その約100万人を指導する日本語教師は、1万8000人余り(うち日本人教師が約2000人)を数えるそうです。この先生方の人知れぬご努力やご苦労は、いかばかりかとお察しする次第です。
 そうしたことから、本コンクールでは近年毎年「日本語教師の教え」についてテーマを掲げ、作品を募集してきました。
 2015年の第11回は「わたしの先生はすごい――第1回 日本語教師「総選挙」in中国」、2016年・第12回は「私を変えた、日本語教師の教え」、2017年・第13回は「忘れられない日本語教師の教え」、2018年・第14回は「心に残る、先生のあの言葉」でした。

 そこで2019年の第15回でも、この流れを汲むものとして「今こそ伝えよう!先生、家族、友だちのこと」をテーマの1つに掲げました。今回は先生のみならず、家族や友だち、先輩など、テーマとなる対象を幅広く考えました。

 みなさんの周りには、個性的な魅力あふれる自慢の先生や家族、友だち、先輩などが少なからずおられるのではないでしょうか? どんな苦難があってもくじけず前向きに生きていく人、地道にコツコツ努力を重ねる人、日本語向上のため貴重なアドバイスをしてくれた人、時にやさしく時に厳しく指導してくれる人、いつも温かく見守ってくれる人、思いがけず衝突した後、心からわかり合えた人など……。
 そのような、どうしてもほかの人に伝えたい個性的で魅力的な人物について紹介ください。それによって改めて他者をよく観察し、自分との違いやその素晴らしさを再発見できるかもしれません。
 それをもって学生側から周りの人たちに感謝の気持ちを表すとともに、先生方にはその作文を今後の指導の参考にしていただければと考えています。


 
 いずれのテーマも、オリジナリティー豊かで新しい発見のある、感動的で共感の得られる作品をお待ちしています。そして、できるだけ正しく自然な日本語表現を目指してください。よろしくお願いいたします!
 
http://duan.jp/jp/