第14回のテーマについて
【趣旨説明】
 
日中平和友好条約締結40周年記念
1.中国の若者が見つけた日本の新しい魅力
2.日本の「中国語の日」に私ができること
3.心に残る、先生のあの言葉
 
 
1 中国の若者が見つけた日本の新しい魅力
 
 2018年は、日中平和友好条約締結40周年の節目の年に当たります。これを記念して、新世代の若い皆さんが発見した「日本の新しい魅力」について、日本や中国の人々にお知らせください。
 日本と中国は今、いっそうの関係改善に向けて大きな歩みを進めていますが、年々増加を続ける訪日中国人客(2016年は過去最多の637万人を記録)に比べ、訪中日本人客が減少し、人的往来のアンバランスが生じているのが現状です。また歴史ある「友好都市」など日中の地方同士の交流も、新たな関係構築を模索しているとの報告もあるようです。

 こうした現状をふまえ、2017年の第13回「中国人の日本語作文コンクール」では、訪中日本人客の増加につながる一助にと「日本人に伝えたい中国の新しい魅力」をテーマの1つに掲げました。その結果、中国各地から価値のあるユニークな作品をたくさんお寄せいただきました。

 そこで2018年の第14回作文コンクールでは、日中双方の公平性を保つ意味でも、対(つい)になるテーマを掲げることにいたしました。第13回とは視点をやや逆にした「中国の若者が見つけた日本の新しい魅力」です。
これまで中国の人々にはあまり知られていない、それを知ったらどうしても訪れたくなるような「日本の新しい魅力」をぜひ拾い上げてみてください。

 日本と中国との交流は、もはや一方的なものではありえません。相互的・互恵的な関係です。古代より交流のある日本と中国ですが、かつて中国から日本へ渡り日本に根付いた中国文化、逆に、日本から中国に入って中国に根付いた日本文化もあります。お茶やラーメンや京都の区画は言うに及ばず、中国にルーツを持つ日本各地の魅力を再発見するのも、面白いでしょう。
 例えば、「酢」という漢字は、古代中国で使われていましたが、現代中国では使われず、現代日本で使われています。そして、その「酢」も、中国から日本へ来た後に日本独自の発展を遂げて、日本各地の特産になっています。それは、日本の魅力でもあり、中国の魅力でもあるのです。

 また近年、国内外で人気のアニメの「聖地巡礼」やユネスコの無形文化遺産に登録された「和食」といった物理的な魅力のほか、日本人との心のふれあいや文化交流といった精神的な魅力もあります。さらに2020年に控えた東京五輪・パラリンピックに関する話題も興味深いことでしょう。

 社会、経済、歴史、文化、科学技術、芸術、スポーツ、教育、観光など、どのような分野や話題でも、来日した経験がある人でもない人でも構いません。「爆買い」ブームが一段落し、中国の人々も日本の新しい魅力や価値、より大きな可能性を求めているころではないでしょうか? そうした中国の若者たちの“新発見”は、日本の人々にとっても新鮮な気づきであり、意外性のある、日本“再発見”となるに違いありません。

 若い世代ならではのフレッシュな視点で、これまであまり知られていない日本のおもしろみやセールスポイントなどについて自由に書き綴ってください。
 あなたの作文が、平和友好条約40周年を大きく盛り上げ、友好都市の再活性化や訪日中国人客のいっそうの増加につながる一助となることを期待しています!


2  日本の「中国語の日」に私ができること
 

  「中国人の日本語作文コンクール」を主催する日本僑報社・日中交流研究所は、2017年の日中国交正常化45周年を迎えるにあたり、中国で初めての「日本語の日」を、また日本で初めての「中国語の日」を創設したいと提言しました。
*関連報道 http://duan.jp/news/jp/20161208.htm

 2017年の第13回作文コンクールでは「中国の『日本語の日』に私ができること」をテーマの1つに掲げました。そこで第14回では、ここでも対になるテーマとして「日本の『中国語の日』に私ができること」を挙げたいと思います。
この「中国語の日」は、毎年8月8日に制定したいと考えます。8というのは中国でも日本でも縁起のいい数字ですし、8月8日は覚えやすい日にちです。さらに言えば、より多くの人々が参加しやすいように、夏休み期間に記念日を設けたほうが良いだろうと考えました。

 一説によれば、日本の中国語学習者数は200万人を超えるそうです。また日本には約700の大学があり、そのうち多くの大学で中国語を第一・第二外国語として教えています。日本では、予想以上に多くの若者たちが中国語を学んでいることがうかがえるでしょう。
一方、日本に滞在する中国人は約100万人に上るといわれ、多くの人たちが各分野で活躍しています。中国からの訪日観光客も増え、日本政府観光局(JNTO)によると2016年は初めて600万人を突破。1000万人を超える日も夢ではないと言われています。

 こうした中で「中国語の日」を創設し、中国語をパイプ役として日本人と中国人の直接交流を深めてもらいたい。また日本人にとっては、中国・中国人・中国語の理解をより深めるチャンスにしたいと考えました。

 そこで、皆さんに提案してもらいたいのが「日本の『中国語の日』に私ができること」です。
現時点ではあくまでも架空の計画であり、シミュレーションの域を出ませんが、この日は1日、日本(あるいは中国)で、日本の人々に中国語を広める活動をしてもらいたいと思います。中国の書籍や音楽、映画などを紹介したり、日本の友人とおしゃべりしたりと中国語にかかわる活動をしてください。
またそれに限らず、意外性がありオリジナリティー豊かな取り組みを積極的に述べてください。個人の小さな試みから、団体で開催する大きなイベントまで、何でもOKです。例えば近年、日中双方で目に付く「おかしな中国語・日本語案内(表記)」を列挙して、正しい表記を示すこともユニークな提言となりそうです。

 この1日、皆さんは日本(あるいは中国)における中国語の先生であり、伝道者です。日本人にとって、楽しみながら中国語能力を大いに伸ばすことができるとしたら、日本における「中国語の日」の試みは大成功であり、しだいに定着する可能性も高まるでしょう。2020年の東京五輪・パラリンピックを前に、広く中国語人材を育てるという社会のニーズにも応えられます。
2018年の平和友好条約40周年に「日本の『中国語の日』」を制定することで、記念イヤーをさらに盛り上げたい。そのための斬新なアイデアをどしどしお寄せください!


3  心に残る、先生のあの言葉
 
 日本語作文コンクールには毎年、多くの秀作や力作、労作が寄せられます。これは常日頃より中国人学生に対して熱心に指導されている日本語教師のご尽力の賜物と、心より敬意を表します。
前述の通り、中国における日本語学習者は現在100万人を超えており、その100万人を指導する日本語教師の数は、約1万7000人(うち日本人教師が約2000人)に上るそうです。この先生方の地道な取り組みやご苦労はいかばかりかとお察しする次第です。

 「中国人の日本語作文コンクール」では近年毎年、この日本語教師についてのテーマを掲げ、作品を募集しています。2015年の第11回は「わたしの先生はすごい」、2016年の第12回は「私を変えた、日本語教師の教え」、2017年の第13回は「忘れられない日本語教師の教え」でした。
そこで2018年の第14回も、この流れに続くものとして「心に残る、先生のあの言葉」をテーマの1つに挙げたいと思います。
ちなみに例年、日本語教師をテーマにした作品は数多く寄せられています。そのため学生の皆さんは、このテーマについて少し角度を変えたものであれば、さらに書き綴ることができるのではないか?と考えました。

 皆さんには、日々の日本語学習を続ける中で、そのモチベーションを上げるキッカケになったり、日本語のレベルアップのヒントになったりした先生の言葉があるのではないでしょうか? 
また日本語の学習のみならず、その先生の真面目な生き方、パワーあふれる人間性などから、人としてのあり方や心構え、さらには人生について教えられたこともあるでしょう。
そんな「心に残る、先生の言葉」を、日本語で具体的にまとめてください。それをもって学生側から日本語教師に感謝の気持ちを示すとともに、先生方にはその作文を今後の指導の参考にしていただければと考えています。


 
 いずれのテーマも、オリジナリティー豊かで新しい発見のある、感動的な作品をお待ちしています。そして、できるだけ正しく自然な日本語表現を目指してください。よろしくお願いいたします!
 
http://duan.jp/jp/