子供を愛し、子供の心を持った作家、豊子ト。 小さな者たちへの思いが込められた随筆集。 彼がいかに育ったか、その道筋を語る。
貧しいシーソーの子/提灯見物/蜜蜂/春を惜しむ/粗食するなら/絵を学んだころ/自分の絵を語る/二人の学生/幼児の物語/伯豪の死/寄宿生活の思い出/葉聖陶童話と私/昔の話/甘い思い出
【海老名香葉子さん 推薦の言葉】
豊子トは大変な子供好きで、子供の純粋な感性を愛し、子供たちの成長の糧となるようなお話をたくさん書き残しました。豊子ト自身も良き父親でしたが、子供たちが育っていくのを喜ぶと同時に、彼らが少年時代に別れを告げることを惜しむ作品を残しています。このあふれるような愛情は、子を愛する親ならではのものでしょう。 日本ではまだあまり知名度の高くない豊子トですが、この度の出版を通じて多くの方にその作品を知っていただき、人間社会の普遍のテーマを感じていただければと思います。
【内容紹介】
近代中国が生んだ漫画家にして文人の豊子ト。彼がどのように絵や文章、生き方を学んだかがこの随筆集で明らかにされる。おかしくもむずかしい切ない学生時代の思い出。勉強に夢中だった彼が友達に魅かれ、絵の描き方を覚え、音楽に情熱を燃やした十代を経て、結婚し子供を持ってからは、いかなる思いを持つに至ったか。蜜蜂や若い二人の学生、貧しさの中にいる子供たちへの優しい気持ちが、あふれるユーモアにより彩られる。さらには幼児にもわかるよう、物語について分類し、例をあげ、細かな注意点とともに創作法まで教えてくれる。
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【著者紹介】
豊子ト(ほうしがい) 近代中国の代表的な漫画家・散文家・翻訳家。1921年(大正10年)日本に短期留学した際、竹久夢二と親交をもち、大きな影響を受けた。帰国後の1925年、新聞に「子ト漫画」の名でひとコマ漫画を発表し「漫画」という言葉を中国で広めた。また「源氏物語」や夏目漱石の「草枕」の翻訳をしたことでも有名。
【訳者紹介】
黒金祥一(くろがね・しょういち) 1981年、京都府に生まれる。立命館大学文学部で中国文学を学び、卒業。やまねこ翻訳クラブ会員。訳書に絵本『じいちゃんの火うちばこ』(徐魯/文・朱成梁/絵 ワールドライブラリー)、『雲のような八哥鳥』(谷力/文・郁蓉/絵 ワールドライブラリー)。中国文学のすばらしさを世に広めることが目標。
----------------------------------------------- 書名:『豊子ト児童文学全集 第7巻 中学生小品』 著者:豊子ト 訳者:黒金祥一(くろがね・しょういち) 出版:日本僑報社 判型:四六判204頁 定価:1500円+税 発行:2017年4月5日 ISBN 978-4-86185-191-9 C0036 注文先 http://duan.jp/item/191.html ----------------------------------------------- |