【内容紹介】 留学生の一言がきっかけで 25年前、政治部記者として留学生問題を取材していた著者(大森和夫)が聞いた、ある中国人留学生の一言。「奨学金をもらえないので、四十以上のアルバイトを経験しながら留学生活を送っている。 日本が嫌いになって帰国する留学生が少なくない。もっと日本のことをたくさん知って、理解したいのに」……。彼の言葉を聞いて、「何とかしなければ」という思いが募った。「せっかく日本に留学して日本語を勉強している外国の若者が、日本を嫌いになって帰国してしまうのは、日本にとって大きな損失」。 自宅の四畳半から始まった 「日本で学ぶ留学生や、海外で日本語を学ぶ一人でも多くの学生に、日本を好きになってほしい」。そんな思いで、著者は半年後の1989年に49歳で新聞社を辞め、夫婦で日本語の学習情報誌「季刊誌『日本』」を発行、国内のほか中国など海外の大学に寄贈したのが「日本語交流活動」のスタートだった。仕事場は自宅マンション四畳半の「国際交流研究所」。留学生や、短期留学で日本にやって来る中国の学生や教師たちと、時に和食を囲みながらの活発な交流の場所になった。 日本語教材と作文コンクール 8年間に33号まで発行した「季刊誌『日本』」は、中国の130以上の大学に25万冊以上を寄贈。1995年から5回の改訂を重ねた「日本語教材【日本】」も、合計5万冊以上を寄贈した。すべて"夫婦手作り"で、日本の最新事情を反映した内容が学生や教師の感動を呼んだ。さらに、「国際交流研究所」主催の「日本語作文コンクール」は通算19回実施、学生から送られてきた「日本語作文」は19万9758篇にのぼる。本書には、これらの教材の活用事例や、作文コンクール応募者からのメッセージも多数収録している。 ---------------------------------------------------- 【著者紹介】 大森和夫(おおもりかずお)1940年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。朝日新聞記者(大分支局、山口支局、福岡総局、政治部、編集委員)を経て、1989年1月、国際交流研究所を設立。 大森弘子(おおもりひろこ)1940年生まれ。京都女子大学短期大学家政学部卒業。 ※文部科学大臣表彰受賞・国際交流功労者(2003年) ※第12回東亜同文書院記念賞受賞(2005年) ※中国日語教育貢献奨(中国日語教学研究会。2006年) ※平成18年度社会貢献者表彰(社会貢献支援財団。2006年) ※第3回かめのり賞受賞(かめのり財団。2009年) ----------------------------------------------------- 書名 夫婦の「日中・日本語交流」ーー四半世紀の全記録 編著 大森和夫・弘子 出版 日本僑報社 判型 A5判240頁並製 定価 1900円+税 発行 2013年9月29日 ISBN 978-4-86185-155-1 C0036 注文先 http://duan.jp/item/155.html |