◆目次◆ -------------------------------------------- 第一章 風波―「ビル・ゲイツが毛沢東に代わった」 一、上海版歴史教科書問題 二、「風波」の起源 三、波紋と論争 四、賛成論・朱学勤上海大学教授の見解 -------------------------------------------- 第二章 逆流―北京からの批判 一、北京の著名な七人の歴史家の批判 二、「中国史学会」名義での「上書」 -------------------------------------------- 第三章 扼殺―新しく教科書をやり直す 一、扼殺・使用停止・突然死 二、上海版歴史教科書の作成過程 三、使用停止・突然死へのさまざまな反応 四、比較―上海版と臨時版教科書 -------------------------------------------- 第四章 反論―これは歴史観念・教育観念の衝突である 一、一人の編著者の反批判―理無き指責・事実歪曲だ 二、事件をどう読むか -------------------------------------------- 第五章 中国のイデオロギー的言論統制 一、中国のイデオロギー的言論統制の実例 二、検閲と内容の強制削除 三、中訳本序文の強制修正 四、「不信」―中国との信頼関係は可能か -------------------------------------------- 附録 『氷点』事件は中国の歴史研究者にどのように影響したか ―義和団研究者の批判意見と最近の問題関心 中国語の批判文・反論など −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ◆著者略歴◆ 佐藤公彦 1949年、福島県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。1985年から東京外国語大学外国語学部に勤務、95年教授、海外事情研究所所長を歴任。2002−03年、「北京日本学研究中心」主任教授。社会学博士。 専門は中国近代史、歴史学、近代東アジア国際関係史。大学院時代より、義和団事件を研究、1980年の「義和団運動史国際討論会」(於山東済南)、90年の国際討論会、2000年の討論会の三度の義和団国際シンポジウムに出席し、発表。1986年から1990年にかけて、日中学者の共同調査団で義和団に関係する華北農村社会の調査に従事、調査成果は『近代中国の社会と民衆文化』(東方書店、1992)として公刊。 主著『義和団の起源とその運動――中国民衆ナショナリズムの誕生』(研文出版、1999)。中国語訳は『義和団的起源及其運動――中国民衆Nationalism的誕生』(中国社会科学出版社、2007)。他に、『「氷点」事件と歴史教科書論争』(日本僑報社、2007)『続中国民衆反乱の世界』(共著、汲古書院)、『宗教の比較文明学』(共著、春秋社)、『中国の家・村・神々』(共著、東方書店)など。翻訳書に、ピーター・バーク『歴史学と社会理論』(慶応義塾大学出版会、2006)、陳白塵『黒旗軍――十九世紀中国の農民戦争』(研文出版、1987)、『世界の歴史教科書=中国2』(共訳、ほるぷ出版、1981)などがある。 |