第4回「日中ユースフォーラム」

「コロナに負けない交流術」をテーマにオンラインで開催

世界五カ国から130人余りが参加!

 

 

【日本僑報社発】日本僑報社は、日中青年交流の会共催、東芝国際交流財団協賛により、第4回「日中ユースフォーラム」を1128日(日)午後開催した。昨年の第3回フォーラムに続き、オンラインでの開催は2度目となる。

 

これは、日本僑報社が主催する「中国人の日本語作文コンクール」と「忘れられない中国留学滞在エピソード」の受賞者にそれぞれ貴重な体験談を語ってもらい、相互理解を深めるとともに、両国の交流促進へのヒントを探ろうとするもの。今回は「コロナに負けない交流術」をテーマとして、コロナ禍の状況において各国の国民がいかに民間交流を続けていくのか、若者の視点からの提言を発表してもらった。

 

第4回「忘れられない中国滞在エピソード」表彰式に続くオンラインフォーラムには、日本と中国をはじめ、アメリカ、韓国、タイ五カ国から、前回を上回る130人余りが参加。若者を中心として、インターネットを通じた国際交流への関心の高まりが感じられた。

 

 

フォーラムではまず、福田康夫元内閣総理大臣の祝辞のビデオメッセージが披露された。来年には日中国交正常化50周年や北京冬季オリンピックを迎えることから、「日中両国の交流がより活発となる一年になる」「日中両国の若者たちがお互いに関心を持ち、友好的な交流を推進することが、共存共栄、共同発展という両国の明るい未来に繋がると確信しています」と述べた。

  

 

続いて、孔鉉佑駐日中国大使からの書面メッセージ、垂秀夫在中国日本国大使からのビデオメッセージが披露された。北京に着任して一年を迎えた垂大使は、「日中間には歴史的に相互に助け合う人間ドラマがたくさんありました」「こうした日中ドラマの伝統は現在にも脈々と受け継がれています」と語り、「若い世代の皆さま一人ひとりが自らの人間ドラマを作られていくことを期待しています」と、両国の若者にメッセージを贈った。

 

 

大森圭介東芝国際交流財団専務理事、中前由紀東京都港区議会副議長が、生出演で開催への祝意を評した。大森理事からは、対面型交流の重要さの再確認とともにオンラインによってコミュニケーションの選択肢が増える機会になったと述べ、両国の民間交流から友好関係の進展に期待を示した。中前副議長も今回のフォーラムの開催を祝し、日本僑報社日中交流研究所の段躍中編集長との出会いから現在までを振り返りつつ、今後も日中友好のための活動を応援したいというメッセージを寄せた。

 

特別講演として、落語家の林家三平さんから熱烈なビデオメッセージが寄せられた。林家さんは落語家らしくユーモアあふれる語り口で自らの中国滞在経験を紹介し、そうした体験から「北京や上海だけでなく、様々な地方都市を巡ることで、さらにより視野が広げられる」と語り、「お互いの歴史や気持ちを学ぶことが、両国にとって大事な使命になる」「コロナにかかった方への差別は絶対にあってはならない」「お互い頑張っていきましょう」と、若い世代にエールを送った。

 

 

続いて第7回「中国人日本語作文コンクール」受賞者でもある中国人YouTuberのヤンチャンさんが「ネット動画で日中交流の新世代へ」というテーマで特別講演。ヤンチャンさんは初めて日本に来たときに日中の若者の間での関心度に大きなギャップがあると実感し、チャンネルを開設したという。動画配信を通して日本人が中国に関心を持ってもらえることへの喜びや、これからはネットコミュニティも活用し、より多くの日本人に中国に訪れてもらって日中の交流を深めたい、という今後の展望を語った。

 

フォーラムでは、以下のコンクール受賞者(日中各6人)が報告者として、それぞれの体験報告や「コロナに負けない交流術」のテーマで提言を行った。

 

〈中国側発表者〉17回中国人の日本語作文コンクール受賞者

潘暁gさん 最優秀賞(日本大使賞)、復旦大学3年生

涵さん 1等賞、大連外国語大学2年生

欧華慶さん 1等賞、天津外国語大学3年生

李佳トさん 1等賞、西北大学3年生

張偉莉さん 1等賞、大連外国語大学2年生

馬礼謙さん 1等賞、西安交通大学2年生

 

 

〈日本側報告者〉第4回「忘れられない中国滞在エピソード」受賞者

田中 伸幸さん 最優秀賞(中国大使賞)、会社員

服部 大芽さん 1等賞、大学生

西村 栄樹さん 1等賞、公務員

林  鈴果さん 1等賞、高校生(ビデオメッセージ)

久川 充雄さん 1等賞、中国在住の日本語教師

丸山由生奈さん 2等賞、団体職員

 

 

最後に、瀬野清水日中協会理事長元重慶総領事と朝日新聞の古谷浩一論説委員(前中国総局長)からコメントが寄せられ、和やかな雰囲気の中第4回フォーラムを締めくくった。

 

 

 フォーラムの司会を担当した日本僑報社の段躍中編集長は、報告者や参加者へ感謝の言葉を述べ、次回は対面式で開催できることを期待するとコメントした。