段躍中氏、「日本語ネットとしま」第1回会議で報告 区内在住外国人の日本語学習支援について協議する 段躍中編集長、「日本語ネットとしま」第1回会議で報告――区内在住外国人の日本語学習支援について協議する 【日本僑報社発】東京都豊島区に住む外国人の日本語学習を支援する団体・機関のネットワーク「日本語ネットとしま」の第1回会議が7月6日午後、同区庁舎の会議室で開かれた。 豊島区(政策経営部 企画課
多文化共生推進グループ)が主催し、会議には同グループの担当職員をはじめ、地元に本部を置く学習院大学、立教大学、また日本語学校や日本語サークルなどの関係者のほか、外国にルーツを持つ区民(中国、ミャンマー、レバノンの出身者各1人)ら計23人が出席。日本僑報社の段躍中編集長は、中国にルーツを持つ区民の1人として出席した。 会議では、同区内における昨年度の「日本語教育機関実態調査」やそれぞれの活動状況について、具体的な報告が行われた。 豊島区の報告によれば、今年6月末時点での同区の外国人登録者は約3万人で、区民の約1割を占めている。うち中国出身者は約半数に上るという。 報告した段編集長はまず、約30年前に来日したばかりのころ、区役所主催の無料日本語教室に自転車で足しげく通い、ボランティアの日本語教師に親切に教えてもらった思い出を紹介するとともに、関係者らに感謝の意を表した。 続いて、中国人の日本語学習支援と日中民間交流に関する取り組みを、3つの点から報告した。 第1に、日本僑報社・日中交流研究所が主催する「中国人の日本語作文コンクール」について。コンクールはこれまで、日本での長期留学経験のない中国人学生を対象として16年にわたり開催してきた。参加者は延べ5万人近くに上る。受賞者の中には来日経験者が多く、今では日本の各分野で活躍している人も数多い。豊島区在住の元受賞者もいる。 第2に、毎週日曜午後に西池袋公園で開催している日中交流サロン「漢語角」(中国語コーナー)と「日語角」(日本語コーナー)について。誰でも無料で参加でき、多くの中国人留学生たちが日本人とのフリートークを通じて楽しく日本語を学んでいる。新型コロナウイルス感染症の対策に向けた義援金活動などさまざまな活動を展開し、この13年間で600回以上開催、日中両国のメディアに多数報道された。 第3に、日本僑報社・日中翻訳学院について。ハイレベルの翻訳人材を育成し、中日・日中翻訳のプロフェッショナル人材を300人ほど送り出した。受講生には中国出身者も数多く、日本に長年滞在する中国出身者の翻訳(日本語筆記)レベルの向上を後押しした。 段編集長はこうした主な取り組みを報告。その上で、自身が区長に任命された「国際アート・カルチャー特命大使」(外国にルーツを持つ区民の第一号)であることを踏まえて「豊島区が外国人にとって最も住みたい街となるよう、区内在住外国人の日本語学習支援をはじめ、情報発信などの分野で一層協力していきたい」と意欲を述べた。 |