毎日新聞、漢語角600回を大きく報道

 

 

毎日新聞デジタル版より

 

 

729日付けの「毎日新聞」夕刊が、「日中草の根交流 会話サロン600回 東京・池袋の公園 相互理解はおしゃべりから」をテーマに、先日終わった星期日漢語角(日曜中国語コーナー)600回交流会を大きく取り上げた。

 

毎日新聞2019729 1309(最終更新 729 1309) に配信された記事の全文は下記の通りである。

  

東京・池袋の公園で日本人と中国人が集まって中国語の会話を楽しむ日中交流サロン「日曜日の中国語コーナー」が600回を迎えた。在日中国人の元中国紙記者が20078月に始めた。「日本人と中国人が互いに理解を深めるには、草の根交流こそが大切だ」という強い思いからだ。

 

主宰するのは、中国紙「中国青年報」元記者で日中関係の書籍を出版する段躍中さん(61)。毎週日曜日の昼下がり、日本人と中国人が西池袋公園に集まり、中国語や日本語で気軽に自己紹介して語り合う。参加費は無料。この12年間で延べ3万人近くが参加した。

 

日本政府が12年に沖縄・尖閣諸島を国有化し日中関係が悪化したときは、「誰も来なくなるのではないかと心配したが、こんなときこそ交流が必要」と踏ん張った。雨でも、暑くても、蚊に刺されても続け、休んだのは「日曜日が元日のときぐらい」。荒天時は近くの喫茶店などで開いた。

 

600回を迎えた714日、中国語を学ぶ日本人や中国人留学生ら約80人が集まった。東京大学3年、渋谷宗之介さん(22)は「日中の青年交流を行っているので、活動の手法や考え方が参考になる」と話した。「shoken」の名で映像制作を手がける在日中国人男性(22)は「日本社会は冷たいというイメージが強かったが、ここで多くの日本人に出会い、自分が思っていたより日本人は熱いと感じるようになった。今では中国にいたときよりも友人が多い」と語る。

 

日中関係は改善してきたものの、シンクタンク「言論NPO」などによる日中世論調査(18年)では、日本で中国に良い印象を持つと回答した人は13%にとどまる。段さんは「日本には中国人が多く住んでいるのに、中国人と直接話した経験がある日本人は多いとはいえない。『ニーハオ』(こんにちは)だけでもいい。相手の国の言葉で語りかけてみてほしい。それが互いの考え方を知ることにつながる」と呼びかける。

 

その思いは中国にも広がっている。北京、上海、西安など15カ所に、中国人と日本人が日本語で語り合う交流サロン「日本語コーナー」ができている。その活動を支援してきた宮本雄二・元駐中国大使もこの日、池袋の公園を訪れ、「600回は簡単なことではない。日中間の感情の改善を願ってこそ、長年続けることができた」とたたえた。

 

中国人女性の張君恵さん(27)も共感する一人だ。昨年10月、湖南省長沙市で、日本語教師の中村紀子さん(49)と共に、中国人が日本人から日本語を学ぶ「長沙日本語会話サロン」を始めた。来日して池袋の交流会に参加した張さんは「長沙に暮らす日本人は少ないが、サロンでは学生が先輩の社会人から考え方を学ぶなど、日本語だけではない、交流の広がりを感じる」と話す。【鈴木玲子】