峰毅氏著『中国工業化の歴史』

中国研究月報1月号に書評掲載

 

 

 

 

【日本僑報社発】日本僑報社の話題書で、東京大学経済学博士の峰毅(みね・たけし)氏の新著『中国工業化の歴史―化学の視点から』が、中国研究月報2019年1月号(一般社団法人中国研究所発行)の書評欄で取り上げられた。

 

評者は、東京大学大学院の上西啓氏。それによると、本書について「19世紀後半から現在にいたる中国の工業化の歴史を、化学工業に着目しながら叙述した著作」「化学工業というレンズを通して、西洋諸国から遅れて工業化を開始した中国が経済大国へと成長する過程が描き出されている」などと紹介。

 

第1部「戦前」(日中戦争以前)から第2部「計画経済時代」、第3部「改革開放後」まで、それぞれ内容を丁寧に説明した上で、本書の特徴を「中国の近代化学工業における技術的な『継承』を強調している点」であり、「劇的な変化の側面ばかりを取り上げるのではなく、中国の工業化の歴史的な連続性を明らかにしている」点だと強調する。

 

さらに「中国の工業化の歴史を平易に理解するのに恰好の著作」「中国史や中国経済になじみの薄い読者にも、ぜひ一読を薦めたい」と本書を高く評価している。

 

■『中国工業化の歴史―化学の視点から』

峰毅著(東京大学経済学博士)、日本僑報社刊

http://duan.jp/item/250.html 

――「世界の工場」として大きな存在感を持つに至った中国。この中国で近代工業がどのように誕生し、発展して「世界の工場」になったのか、それを日本との関係を踏まえて化学工業の視点から解き明かした中国工業化の歴史書。

 

【著者紹介】峰毅(みね・たけし)

東京大学経済学部卒業。財閥系化学会社に就職し、調査企画部、肥料事業部、国際部を中心に主として海外業務に従事。この間、社命によりアメリカに留学し、ジョンズホプキンズ大学で経済学修士号取得。1994-99年は北京駐在。その後東京大学に戻り経済学博士号取得。東京大学社会科学研究所を拠点にした中国経済研究活動のほか、東京大学、防衛省、(中国)清華大学などで教育活動にも従事。

 

【本書を推薦します】

中兼和津次(東京大学名誉教授)、淡輪敏(三井化学社長)、西出徹雄(前日本化学工業協会専務理事)、竹内啓(東京大学名誉教授)、冨澤龍一(三菱化学元社長)、久保田宏(東京工業大学名誉教授)、木村始(日本冶金社長)、中尾清(東洋エンジニアリング社長)、織田島修(化学工業日報社社長)