片山和之上海総領事の新著

『対中外交の蹉跌』出版記念パーティー

上海で盛大に

 

片山和之上海総領事by段躍中

 

 

【日本僑報社発】日本僑報社刊の新著『対中外交の蹉跌―上海と日本人外交官』が話題の片山和之・在上海総領事が9月12日、上海市内の総領事公邸で「納涼カクテル」を開催した。この会は、折しも出版された『対中外交の蹉跌』をお披露目する“出版記念パーティー”の機会ともなった。

 

同会には片山総領事をはじめ、上海ゆかりの日中両国の政財界、学術界、医療界、法曹界、教育界、文化界、マスコミの関係者ら約220人が出席。去りゆく夏を惜しみつつ、片山総領事の新著出版を盛大に祝い合った。

 

上海市から市人民政府外事弁公室、市対外友好協会の関係者が出席したほか、市欧美同学会留日分会のメンバーも出席した。

 

 

日本僑報社の関係では、同社が主催する「中国人の日本語作文コンクール」の受賞者や日本語教師などが多数出席した。

 

片山総領事はあいさつで、現役総領事が上海の日本人外交官の軌跡をたどった話題書『対中外交の蹉跌』について紹介。

 

その上で、これからの両国関係について「日中関係は引っ越しのできない隣人関係であり、日中経済関係は運命共同体である」として、一時的な雰囲気や国民感情に左右されない、共通利益に根ざした冷静な「戦略的互恵関係」を推進することが重要だ、などと訴えた。

 

日本僑報社の段躍中編集長はあいさつで、本書について「日中外交史研究の空白を埋めた一冊」と高く評価し、多くの人に読んでほしいと呼びかけた。

 

 

また、創業21年でこれまでに計約350点を世に出した日本僑報社の出版事業について紹介。その上で「上海で活躍される出席者の皆さんにも、ぜひ原稿を寄せてほしい。例えば、来年の日中平和友好条約締結40周年に合わせて、40人の駐在員に『忘れられないエピソード』を寄せてもらい出版化してはどうか? その時にはもう一度、上海でパーティーを開催できたらうれしく思う」などと語った。

 

さらに段編集長が「読書で日中相互理解を深めよう」という日中友好読書運動の持論を紹介すると、日本問題専門家の呉寄南氏(上海市日本学会会長)から「上海で片山さんの本を読む会を主催したい」との申し出があったほか、弁護士の王穏氏(開澤律師事務所)は『対中外交の蹉跌』をその場で多数購入し「読書会を企画したい」と意欲を語った。

(在上海中国人を中心とする日本関係者の会「一期一会」では事前に多数購入し、読書活動をすでに展開しているという)

 

続いてあいさつに立った上海日本商工倶楽部の村上宏理事長(上海住友商事有限公司総経理)は、本書を途中まで読み進み「大変感銘を受けている」などと感想を述べていた。

 

 

この後、出席者たちは夕刻のひととき、『対中外交の蹉跌』の読後感や、今年国交正常化45周年を迎えた日中関係のホットな話題などについて、和やかに語り合った。

 

日本僑報社は会場で、日本から持参した「『対中外交の蹉跌』報道特集チラシ」を配布。本書がどのように多くの日本メディアに報道されたかがわかる内容で、好評を得た。