微信などニューメディアをもっと活用しよう

 

段躍中

 

 

11月2日に配信された日本僑報電子週刊第1252号に、段躍中氏が書いた下記の呼び掛け文が掲載されました。

 

 

○先週、ふるさとは中国湖南省に出張する機会があり、いくつもの深い感動を覚えました。

 

第1に、ふるさとを離れてちょうど40年になる私ですが、恥ずかしながらこの度、湖南大学の客員教授に就任しました。同大学は「千年の学府」といわれる湖南省の名門大学。そのような、ふるさとを代表する大学に客員教授として招聘いただき、大きな感慨を覚えました。

 

そしてその際、学生を中心として計4回の講義を行い、数百人の若者たちと直接、交流を深めることができました。今年4月、経済学者の島田晴雄先生(千葉商科大学学長)の訪中団を引率し、湖南大学を訪れた際にも感じましたが、改めて中国の学生たちのレベルの高さ、優秀な人材の多さに驚きました。そうした勢いある学生たちの姿を見て、微力ながら日本と中国の青年交流を一層応援していきたいと決意を新たにしたところです。

 

○第2に、湖南大学の学生たちとの交流が有意義であったこと。

 

講義は、外国語学院(日本語学科)や文学学院、メディア報道専攻など、ほぼ全学の学生を対象に行いました。

 

日本語を専攻する学生からは、「中日関係が厳しい中で、将来自分は何ができるか」「中日交流といっても日本訪問のチャンスもなく、具体的に何をどうしたらいいか」などの悩みが寄せられましたが、講義の後には「今後の目標がハッキリした」との声があったり、私が勧めた弊社SNSの「微信(WeChat)公式アカウント『中日橋段』」を早速フォローしてくれたり、新しいアカウントを開設してくれたりと、前向きな進展があったようでうれしく思いました。

 

また、ほかの学生の中には、日本に対してあまり関心がない人や、誤解のあった人もいたようですが、交流を通じて彼らの日本理解が深まったことを強く感じました。日本で進める草の根交流活動「星期日漢語角」(日曜中国語コーナー)についても紹介したところ、聴講した一般の社会人から、省都長沙市の公園で「日語角」(日本語コーナー)を開きたいとの提案も! 長沙を拠点にしたこのような自主活動が進んでいくとは思いもせず、望外の喜びでした。

 

○第3に、SNSで温かなメッセージを受け取ったこと。

 

出張を終え、日本に到着(27日夕方)してスマートフォンの電源を入れると、宮本雄二元中国大使から「微信」のメッセージが入りました。「段さんの微信を見ました。ふるさとで感じた温かさを知り、とてもうれしい!日本と湖南省の関係がますます発展することを信じています」とあり、早速の心温まるメッセージに感無量となりました。

 

これまで紙メディアを中心に頑張ってきましたが、今、中国では電子メディアがめざましく発達しています。日本にいる中国通の皆さんも微信を利用している人が多く、将来これは日中交流に非常に有益なツールになると思います。

 

来年(2017年)は日中国交正常化45周年、再来年(2018年)は日中平和友好条約40周年の節目の年を迎えます。微信などのニューメディアを活用すれば、メモリアルイヤーをさらに盛り上げることができるのではないでしょうか。

 

○そして最後に、SNS関連の話題をもう1つ。

 

昨日(11/1)、桜美林大学で「日中関係とメディアの役割」をテーマに講義する機会を得ました。多くは日本人学生でしたが、そのうち中国人留学生も数人いました。私は、前述した湖南での体験などに触れながら、「ニューメディアのSNSは中国の日本理解、また日本の中国理解に大いに役立つ。皆さんもぜひSNSを駆使して、最新の日中交流について日々発信してください」と呼びかけました。

 

SNSを使いこなす若者たちが、今後どのような日中交流を展開し、新しい日中関係を築いていくか? 若者パワーに期待したいと思います。