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小島康誉氏、新疆の文化財保護30周年記念し現地で講演

 

小島康誉氏。段躍中撮影

 

 

【日本僑報社発】中国新疆ウイグル自治区の遺跡保護などに30年前から尽力する浄土宗僧侶で、新刊『新疆世界文化遺産図鑑』(日本僑報社刊)の主編を務めた小島康誉氏がこのほど同自治区を訪れ、小島氏の文化財保護活動30周年を記念する記念座談会で講演。新疆文物局など地元関係者やマスコミ各社から大きな関心を集めた。

 

小島氏は1982年に新疆を初めて訪れ、仏教石窟「キジル千仏洞」などの貴重な歴史文化に魅了された。以来、新疆訪問は140回以上を数え、経済、文化、文化財保護、教育、貧困改善など多方面にわたり支援活動を行っている。

 

とくに新疆では最大級の石窟遺跡であるキジル千仏洞に対しては、その修復保護を開始して今年でちょうど30年になるという。キジル千仏洞はその後、小島氏や地元関係者らの修復保護の甲斐あって、2014年に「シルクロード:長安−天山回廊の交易路網」の一部として世界遺産に登録された。

 

この30年の節目の年を記念した座談会は、新疆文物局とキジル研究院の主催で行われた。小島氏は「キジルの縁で30年」との演題で講演。

 

30年前のキジル千仏洞の修復前から、修復工事、修復後のそれぞれの様子を伝える価値ある写真を紹介しながら、「私は、新疆ウイグル自治区政府文化顧問、ウルムチ市名誉市民として、第二の故郷・新疆の文化財保護、発展のためにこれからも力を注ぎたい」などと語り、会場からは大歓声と拍手が沸き起こった。

 

キジル研究院保護所の葉梅所長は、「キジル千仏洞の保護はこの30年来、当初の見守るだけの保護から、現在の先端科学技術による保護へと明らかに進化してきた。これは各級政府の重視、そして国際的友人の支持と切り離せないものだ」と新疆政府や小島氏に対し、感謝の意を表した。

 

小島氏の今回の新疆訪問の模様は、中国の中央人民ラジオ網、鳳凰網、新疆網、ウルムチ教育網などが大々的にこれを報じ、小島氏の長年の功績に対する注目の高さがうかがわれた。

 

※ 小島康誉、王衛東主編『新疆世界文化遺産図鑑』(日本僑報社刊)

http://duan.jp/item/209.html