武昌理工学院の半場憲二先生が

「私の日本語作文指導方法」を語る

 

 

 

【日本僑報社発】日本僑報社・日中交流研究所は、今年の第12回「中国人の日本語作文コンクール」(主催:日本僑報社・日中交流研究所)の開催に併せ、中国で日本語を教える教師の皆さんから、その指導体験や指導方法をまとめたレポート作品(コラム・エッセイ風でも可)を随時、募集しています。

このコンクールで教師の指導体験文を募集するのは、昨年に続いて2回目。

 

先日は、中国湖北省武漢市の武昌理工学院の半場憲二先生から「私の日本語作文指導方法」と題した作品が寄せられました。

半場先生による指導体験文の応募は、昨年に続いて2回目となりました。

今回は、昨年の「中国人の日本語作文コンクール」に初めて参加した理由とともに、この1年「どのように学生と向き合い、作文を指導してきたか」という思いの一端を明らかにされています。

 

それによると、武昌理工学院日本語学科では年2回、周辺大学と協同で「日本語アフレコ大会」「日本語カラオケ大会」といった学生活動を行っていますが、場合によっては学生たちの「単なる自己顕示欲の発散と仮装舞踏会の場」と化すこともあったといいます。

「学生活動とはいえ『お遊び』で終わらせたくない」と考えた半場先生は、「日本語学科すべての学生が等しく参加でき、日本語能力を高め、かつ大学時代の『古き苦き思い出』として残せるものはないか?」として、作文コンクールへの参加を決意したと振り返ります。

 

半場先生は、「中国三大かまど」といわれ、寒暖の差の激しさから生活リズムを崩しやすい武漢市で、あえて学生たちに複数の応募作を書いてもらう理由について「社会人となれば暑いだの寒いだの言っている暇はありません。こういう地域だからこそ、敢えて重荷を背負わせる。これも日本語教師の役割だと思います」と厳しくも温かな教育方針を表明。

 

また、作文を教えることのメリットとして「作文を書く力、伝える力、訴える力が増すことで、会話能力にも弾みがついてくる」「教師が一人一人の個性に目を配ることができ、学生の考え方や性格を知ることができる」ことなどを挙げ、さらには「厳しい言い方をすれば、『アニメや漫画が好きだから』という理由で日本語学科の門をくぐってきた学生に、『日本語はそんな簡単なもんじゃない』と理解させるのに(作文は)最適なツール」であると持論を展開されています。

 

現在の日本語教育環境の問題としては「日本語学習者の低年齢化、早期外国語学習の導入やインターネット上に濫造される音声言語」などがあり、教師たちは「様々な挑戦を受け、その職責は日増しに重くなり、熱意も試され」ているといいます。

 

しかし国や体制、文化、習慣の違いを乗り越えて「私たちには共通点も多い……。これからも日本語の作文指導を通じ、学生には考える葦であり続けるよう、指導していきたい」と半場先生は作文指導の意義と目的を、改めて明らかにされています。

 

※ 第12回「中国人の日本語作文コンクール」 教師の指導体験文も募集!

http://duan.jp/news/jp/20160511.htm