最新刊の学生懸賞論文集

『日中経済交流の次世代構想』をお披露目!

日中関係学会シンポジウムで

 

 

 

【日本僑報社発】日本日中関係学会(会長・宮本雄二元駐中国大使)主催のシンポジウム「これからの日中経済交流について〜若者が考える〜」が5月14日、東京・文京区の拓殖大学文京キャンパスで開かれ、宮本雄二氏が監修し、同学会が編集を担当した日本僑報社の最新刊『日中経済交流の次世代構想―学生懸賞論文集』がこの場で初めてお披露目された。

 

『日中経済交流の次世代構想』は、2015年に同学会が募集した第4回「宮本賞」(日中学生懸賞論文)で、最優秀賞などを受賞した12本の論文を全文掲載したもの。“若者が考える「日中の未来」”シリーズの第2弾として、日中双方の関係者らから大きな注目を集めていた。

 

 

シンポジウムでは宮本会長のあいさつに続き、第4回「宮本賞」を受賞した日中の学生たちが「日中経済交流の次世代構想」「日本企業は中国リスクをどう捉えるか」「日中韓三国の排出権取引制度のリンクについて」など受賞論文の骨子についてそれぞれ紹介。

 

続いて「日中経済交流について論文作成過程から見えてきたこと」「日中経済交流は今後どうなるか」「日中経済交流を進める上で何をすべきか」などをテーマに、若者ならではの新しい視点で活発なディスカッションを繰り広げた。

 

出席者として、優秀賞受賞の龍蕾さん(広東外語外貿大学)がこのシンポジウムのためはるばる中国・広州から駆けつけたほか、パネリストとして受賞者以外にも企業で働く若手ビジネスマンやスイスからの留学生など、活気あふれる多彩な顔ぶれが集まった。

 

また今年の入選作のうち、最優秀賞「日中経済交流の次世代構想〜華人・華僑の新しい日本展開をめぐって〜」と、優秀賞「日本企業は中国リスクをどう捉えるか〜中国労働者の権利意識に関するアンケート調査からの示唆〜」の2本がそれぞれ日本大学商学部の2チームによる力作だった。作品はいずれも学生懸賞論文集シリーズ第2弾に収められた。

 

これについて、学生たちを指導した同大学商学部の久保豊教授は会場で、学生たちの研究論文への新たな取り組みを紹介。

 

 

ゼミで論文集(シリーズ第1弾)を徹底分析すると、入選作の多くが取材やアンケート調査といった実証のための活動に力を注いでいたことがわかった。それを踏まえて「学生たちは自分たちの研究スタイルを活動的なものに変化させた。2チームの論文が入選できたのは、論文集の徹底分析が奏功したことが大きい」と強調。

 

その上で、「論文のタイトルを見ればわかるように、若い学生たちのアンテナは、10年後、20年後の日中関係のゆくえを占ううえで、この上なく重要だ。若者には若者の鋭い感性がある点は見逃せない」として懸賞論文の活動と、若者たちの豊かな感性の一端がうかがえる論文集シリーズの刊行を高く評価した。

 

日中学生懸賞論文「宮本賞」は、日中の若者が日本と中国ないし東アジアの関係に強い関心を持ち、よりよい関係の構築のために大きな力を発揮していけるように、そのための人材発掘・育成を目的として、2012年にスタートした。

 

テーマは「日本と中国ないし東アジアの関係に関わるもの」と幅広く設定している。

 

第4回の応募数は「学部生の部」で24本、「大学院生の部」で27本。中国大陸の大学からも数多くの応募があった。論文のレベルも年々、高まっており、日中の若者がいま何を考えているか、存分に知ることができる。

 

第4回「宮本賞」の学生懸賞論文集『日中経済交流の次世代構想』は、同シンポジウムの開催に合わせて刊行された。

 

※『日中経済交流の次世代構想―学生懸賞論文集』

http://duan.jp/item/223.html