段躍中編集長

中国人民大学で「出版と公共外交」について講演

 

 

【日本僑報社発】日本僑報社の段躍中編集長は5月4日、訪問先の中国・北京の中国人民大学で「出版と公共外交」について講演した。

 

同大学の日本語学科の学生を中心とする学生サークル「桜花社」が主催するサロン講座の一環。日本僑報社刊の『日本における新聞連載 子ども漫画の戦前史』などの著書がある日本語学科の徐園講師がスペシャルゲストとして司会を担当したほか、柳悦講師が来賓として出席した。

 

まず徐園講師が、段編集長の経歴を紹介。段編集長は1991年に日本に留学、96年に創業し、98年に中国・日中関係専門の出版社(株)日本僑報社を設立。以来、合わせて300冊以上の書籍を出版し、日中相互理解の促進に寄与してきた。

 

また、2005年から毎年「中国人の日本語作文コンクール」を開催し、同コンクールが日中両国で影響力を持つイベントとして大きく発展していること。日中翻訳学院を設立し「出版翻訳のプロ」を育成するほか、日曜中国語サロン「漢語角」を毎週開催し、日中の草の根交流を推進していることなど、そのさまざまな取り組みが紹介された。

 

続いて段編集長が講演し、日本僑報社の創業20年の歩みと、日本語作文コンクール開催の成果などについて紹介。

 

来日当初は日本語も日本の習慣もわからず、苦労に苦労を重ねたが、日中交流や日中相互理解の促進のため、その一翼を担いたいと奮起。「この20年来、日曜祭日の休みなく必死でやってきた。“二十年一日の如く”努力してきた」などと率直に語りかけ、学生たちは感銘を受けたようすで熱心に耳を傾けていた。

 

また日本メディアの報道傾向などについて、「日本の社会やメディアの中には、確かに“対中マイナスイメージ”の報道や見方が多い。こうした状況は中日友好を損なうものだ」と見解を述べた上で、自身としては日本僑報社での活動や事業を通して、これからも地道に友好を築いていきたいと強調した。

 

学生たちに対しては、「私の若いころとは違い、今の時代は(勉強や生活環境などの)好条件がそろっている。中日友好交流の架け橋になりたいという情熱があれば、一日も早く日本を訪れてほしい。現代の若い皆さんなら、さらに大きな事業を起こすことができる」などと激励。学生たちは、段編集長の苦労と努力に裏打ちされた自信あふれる講演を、感激した面持ちで聞き入っていた。