両国の人々の心を温めるような書籍や報道をもっと

 

段 躍中

 

 

 

先日、東京都内で「中日知名メディア人対話会」(中国公共外交協会主催)が開かれ、日中両国のメディア関係者50人余りが出席、日中関係改善などを巡って多くの意見や提言が出されました。

 

第一に印象深かったのは、書籍や報道に関する話題が取り上げられたことです。

 

この日、出席された程永華駐日本中国大使は、「両国の国民がお互いを正しく理解し日中関係の改善に役立つような報道を心掛けてほしい」と日中のメディアに呼びかけました。この時の報道に関して、中国関連情報のニュースサイト「レコードチャイナ」は、弊社の最新刊『中国の百年目標を実現する第13次五カ年計画』(胡鞍鋼・著)を自ら手に取り、見解を述べる程永華大使の写真を使いました。http://www.recordchina.co.jp/a132596.html 

 

まさに、本というメディアの重要性が示された形になったと、私は理解しています。

 

また、ある中国人記者はあえて北京より持参した“反中本”の1冊を紹介しつつ「5年前に日本で買った本だが、読んでみて、あまりにも的外れなことが書かれていたのでガッカリした」と発言しました。さらに「日本の書店では今も“反中・嫌中本”がたくさん並んでいるが、中日関係の改善に役立つような良書がもっと出版できないか。中日はもっと協力して、人々の心が温まるような書籍や記事を多く発信すべきではないか」と提言しました。私は深く同感しました。

 

そのため今号のメルマガでもご紹介しましたが、弊社はこのほど公式サイトなどを通じて(1)お客様を迎えるための「中国人おもてなしの必読書」、(2)「大手書店ベストセラー1位に輝いた日本僑報社の書籍」、(3)「日中関係が良くない時に読む本」お薦めの10冊――といった各分野でイチオシの刊行書籍を特集しました。

 

ぜひ皆さんにお読みいただき、よろしければSNSで「いいね!」ボタンを押したり、転送したりして広めていただければと思います。

 

第二に印象深かったのは、日本では日中関係に関する良書も、良識ある出版社から出されてはいるが、それがあまり知られていないということです。在日本のメディアは、中国問題を取り上げるとともに、両国関係の改善に役立つような良書や情報にも、もっと注目すべきではないかと思いました。

 

今日(6日)はたまたま日本の某メディアの関係者が、今年の弊社創業20周年について取り上げたいと取材に来られ、刊行書籍を紹介すると「こんなに良い本があるのをこれまで知らなかった。全部購入したい」といわれました。

 

また先日は、都内で開かれたシンポジウムに弊社書籍20冊余りを持っていくと、ある研究者がそれを全部購入してくださり、驚きました。これまで面識のない研究者で、その方も弊社の書籍に対して「知らなかった。本を開いて関心を持つとともに感銘を受けた」と喜んでおられました。

 

こうした1つひとつの実例を通して感じたのは、日中関係に役立つような良質な書籍について、もっと発信すべきだということです。相互理解促進のための良質な書籍は、弊社のみならず他社でも刊行されています。こうした書籍を、ブックフェアなどを通して扱ってくれる書店、団体、学校などがあれば、さらに普及できることでしょう。

 

そして日中のメディアには、両国の人々の心を温めるような書籍や報道をもっと取り上げていただきたい。そうした書籍や報道が、より広く、より多く読まれるようにと期待してやみません。

         (2016.04.06配信した日本僑報電子週刊第1225号より)