相互理解深めた「教育交流シンポジウム」

日中国際教育交流協会会報に詳しく掲載

 

 

 

【日本僑報社発】公益財団法人日本中国国際教育交流協会(黒田文男代表理事)は、最新会報誌『2015年度の歩み 会報第22号』で、先ごろ都内で開催された日中相互理解を深めるシンポジウム「第1回日中教育文化交流シンポジウム」(同協会主催)の模様や、第11回「中国人の日本語作文コンクール」(日本僑報社・日中交流研究所主催、同協会など後援)の報告などについて、詳しく掲載した。

 

同シンポジウムでは、作文コンクールで昨年最優秀賞を受賞し、副賞を受けて来日していた山東政法学院4年の張晨雨さんが基調発表をしたほか、パネラーとして参加した若い世代が日中の友好をどう築いていくか、じっくりと語り合った。

 

会報によると、張晨雨さんは作文の内容に触れながら「人のやり方にはそれぞれ原因がある。それをきちんと知れば、いろいろと考えを理解できる」といった持論を展開。今回の初来日については「国会近くでデモをしていた人たちと平和のことなど話してみたかった」「中国の歴史も紹介したい」「日中関係も何時か治ると感じた」などの感想が述べられた。

続くディスカッションでは、中国の学生から日本の表現・政治活動の自由さに驚いた、といった意見が出たほか、「日本の若者はあまり海外に出たがらない。マスコミの報道にも原因があるのかも知れない。より多くの人に訪中してほしい」といった日中交流に前向きな提言もあったという。

 

シンポジウムには張晨雨さんをはじめ、パネラーとして、作文コンクールの受賞者で英国Leeds大学大学院留学生の郭海さん、同受賞者で西九州大学留学生の丁亭伊さん、同受賞者で慶応大学交換留学生の陳星竹さん、日中翻訳学院修了生で『中国人の価値観』(小社刊)訳者の重松なほさん、早稲田大学・日中学生会議の松本晟さんが出席。

コーディネーターとして、日中交流研究所の段躍中所長が出席した。 

 

会報ではまた、第11回作文コンクールを後援した同協会が、コンクールの結果報告とともに独自に選出した「日本中国国際教育交流協会賞(教育賞)」2編を紹介。

同賞受賞作品には、「日中青年交流について」をテーマとした中国人民大学の郭可純さんの「声」と、華南理工大学の莫泊因さんの「中日文化のつながりを構築しよう」が選ばれ、それぞれの作品(全文)が大きく掲載された。

 

このほか、同協会の活動などを報告する会報紙「共生力」(発行人:黒田文男代表理事)は、24号(3月22日付)で「第1回日中教育文化交流シンポジウム」の開催報告と、「日本語作文コンクール最優秀賞受賞者“張晨雨さん”が、輿石参議院副議長(協会顧問)を表敬訪問!」と題する報告を掲載した。

張晨雨さんは2月24日、参議院の輿石東副議長を表敬訪問し、受賞の喜びを報告。さらに参議院本会議場を見学するなど日本への理解を深めた。