日本僑報社編集長

新しい「マウス友好」「クリック友好」を提唱

 

段躍中近影

 

 

3月30日に配信された日本僑報電子週刊第1224号に、段躍中編集長署名の下記論評が掲載されました。

 

3月29日、NPO法人埼玉県日中友好協会(田中寛会長)の会報である埼玉県版『日本と中国』最新号を、会員の方からいただきました。埼玉県に10年ほど住んだことのある私は、同県のことを少しは知っているつもりでしたが、会報を拝読し、お陰様で新知識を得ることができました。

 

それは「埼玉県は、日本一市の数が多い県として名高く40市あり、その内の12市に友好協会・支部がある」ということです。戦後からの長年にわたる友好運動には、心から畏敬の念を抱くものです。しかしそれは逆にいえば、残念ながら地域の協会が全市の約3分の1にしか存在していないことも示しています。

 

会報はまた「(一昨年12月現在の県内における)外国籍住民数12万6707人のうち最も多いのが中国の方」であるとして、「より密接な交流が大きな課題」だと伝えていました。

 

この情報を知り、私は「それぞれの地域に住む中国人と日本人がともに手を携えて、日中友好運動を推進していただきたい」と強く願いました。

願うだけでなく、具体的にはどうしたらいいか? 実際にうまくいくか? 成果も含めて未知数ですが、自分なりに考えたところ、現代はインターネットの時代です。そのため「鼠標友好」、つまりコンピューターのマウスによる友好運動を展開してはいかがか? と着想しました。

 

現在は、ブログなどの個人メディアやSNSが、昔とは比べ物にならないほど普及し発達しています。それは日本でも中国でも同様です。昔のように足を使って広げていく友好運動ももちろん大事なことですが、現代の若者をより取り込むためには、若者にとって身近なネットを活用するに越したことはありません。

 

指1本でマウスを1回クリックすれば、友好にプラスになる情報を転載したり、「いいね!」ボタンを押して賛同を示したりすることができます。友好を望む人なら誰でもできる簡単な方法です。自分の知り得た有益な情報を、周りの人たち――若い世代からシルバー世代まで幅広い層の人たちに伝えることは重要であると考えます。このようにマウスで、クリックで、友好を推進することは、時宜にかなった方法だといえるのではないでしょうか。

 

今朝、目にとめた毎日新聞1面のコラム「余禄」に、中国人観光客の「爆花見」と「習慣の違いによるトラブル」についての言及がありました。

 

また、最近見たテレビ番組では、桜の枝を手にして記念撮影をする中国人客の姿が問題視されていました。残念ながら中国人客の中には、環境保護の意識がまだ薄い人もいるでしょう。

 

こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、日本の文化や習慣、マナーをもっと発信すれば、より共通認識が広まり、誤解も減り、強い信頼関係を築くことができるはずです。

 

私はこのように、新しい「マウス友好」「クリック友好」を真剣に提唱し、賛同者を募りたいと考えています。