日本僑報社著者動向

康上賢淑氏の講演「もう1人の『大地の子』和一水」

3/16開催へ

 

 

 

【日本僑報社発】もう1人の「大地の子」の真実の記録、和睦著の『和一水―生き抜いた戦争孤児の直筆の記録―』(小社刊)を監訳した康上賢淑(こうじょう・しおん)氏の講演会が3月16日(水)午後、東京・西新宿の工学院大学孔子学院で開催されます。

 

同学院と認定NPO法人東京都日中友好協会の共同連続講座「中国問題を読み解く」の2016年3月講座。康上氏は「もう1人の『大地の子』和一水」と題して講演されます。

 

『和一水』は1940年に旧満州で生まれ、戦中、戦後の混乱に巻き込まれ孤児となった著者が、1986年の日本帰国までの激動の半生を記した真実の書。中国の大地で生き抜いてきたもう一人の「大地の子」が、生々しいリアリティをもって戦争の悲惨さを伝えています。

中国語の原書を訳したのは、中国残留孤児支援団体の山下千尋氏と、翻訳家のM川郁子氏。

現在、鹿児島国際大学准教授で、工学院大学孔子学院中国アジア研究センター客員研究員でもある康上氏が監訳を担当されました。

 

※『和一水―生き抜いた戦争孤児の直筆の記録―』

http://duan.jp/item/199.html

 

同学院のご案内は、以下の通り。

皆さん、ふるってご参加ください。

 

工学院大学孔子学院・認定NPO法人東京都日中友好協会の共同連続講座

「中国問題を読み解く」2016年3月講座

 

演 題: 「もう1人の『大地の子』和一水」

講 師: 康上賢淑(こうじょう・しおん)氏 (『和一水』監訳)

日 時: 3月16日(水)14:30〜16:00

場 所: 工学院大学新宿キャンパス中層棟4階 工学院大学孔子学院

163-8677 東京都新宿区西新宿1丁目242 

受講料: 大人1500円、学生500

申 込: 工学院大学孔子学院の公式サイトをご確認の上、お申し込みください。

https://ssl.smart-academy.net/kogakuin/cik/course/detail/6102533/

 

【講師プロフィール】

中国延辺大学卒業、京都大学大学院修士課程修了、名古屋大学博士課程修了(経済学博士)。現在、鹿児島国際大学准教授、京都大学経済学研究科東アジア研究センター客員研究員、東レ経営研究所客員研究員、工学院大学孔子学院中国アジア研究センター客員研究員。

 

【講座内容】

残留孤児――これは戦後日本に重くのしかかった深刻な問題である。和睦(中国名)は残留孤児である。日本名は鬼塚建一郎。1940年に旧満州で生まれ、戦中、戦後の混乱の中、大陸に置き去りにされた。

鬼塚氏は現在鹿児島県に住んでいる。彼は戦後数十年経った今、沈黙を破り、自身の経てきた波瀾万丈の人生を「和一水」と題する本にまとめ、中国で出版した。

 

講師の康上賢淑氏は、友人からこの本を薦められ読み感動した。それは単なる感動ではなく、あの戦争は何であったのか、残留孤児問題とは何なのかを考え、同時に平和の尊さを改めて考えるきっかけとなった。そして、どうしても多くの日本人に読んで欲しいと、約2年かけて監訳、出版元を探し、このほど日本で出版した。日本語のタイトルも「和一水」である。

本講座は、「和一水」の紹介を通じ、残留孤児問題とは何なのかを考える。

 

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※『和一水―生き抜いた戦争孤児の直筆の記録―』

http://duan.jp/item/199.html

――旧満州に取り残され孤児となった著者。1986年の日本帰国までの激動の半生を記した真実の書。過酷で優しい中国の大地を描く――。

 

【内容紹介】

1940年に旧満州で生まれ敗戦の混乱に巻き込まれ孤児となった著者。その後40年間の長きに渡り中国の激動の時代を生き抜き、遂に日本への帰国を果たす。

二つの祖国を持つ事になった著者が抱く日本と中国への複雑な思い、産みの母と育ての母に対するつきることの無い思慕の念が胸をつく。小日本鬼子と罵られつつも、家族や仲間に助けられ、もちまえの誠実さで周囲の信頼を勝ち取り、中国の大地で生き抜いてきたもう一人の「大地の子」。元残留孤児本人による真実の記録は生々しいリアリティをもって戦争の悲惨さを伝える。

 

【著者紹介】和睦(ワモク)

1940年満州・牡丹江に生まれる。1945年ソ連軍の侵攻により逃避生活に入り、その最中、母と死別、孤児となり、中国人家庭に引き取られる。1983年に初めて日本の土を踏み、父と38年ぶりの再会。1986年妻とともに永住帰国を果たす。「中国人養父母感謝之碑」建立に尽力。

 

【訳者紹介】

山下千尋(やました ちひろ)

九州大学文学部中国文学科卒。高校教員、中国帰国者自立指導員、鹿児島県中国帰国者自立研修センター職員等を経て、現在、中国残留孤児支援団体「ソラソの会」事務局長。

 

M川郁子(はまかわ いくこ)

鹿児島市在住。東京外国語大学中国語学科卒業。中国広東省広州市中山大学に留学後、広東省の日系企業に就職。その後鹿児島市の貿易会社へ転職し、2005年からフリーランスで主に日本語と中国語および広東語の通訳、産業翻訳に従事。