第4回「翻訳新人賞」受賞者の森永洋花さんから喜びの声届く

 

 

 

日本僑報社・日中翻訳学院の第4回「翻訳新人賞」受賞した森永洋花さんから1月26日、事務局あてに喜びの声が届いた。

森永さんは中国の新しい対外政策が分かる一冊、黄衛平著の『目覚めた獅子 中国の新対外政策』(同社刊)を翻訳。

今回の新人賞受賞を「大変光栄に思います」とし、森永さんにとって第一作となった同書の刊行について深い感謝の意を表した。

 

その上で、初の出版翻訳で一番大変だったことについて、このように振り返る。

――今回の作品は中国の経済と政治に関する著書ということもあって、経済や政治に関する幅広い知識が必要でした。また、私にとって日本語は外国語であることもあり、専門用語の正確性のほかにも日本語の適切な表現をどのように引き出すかということが大きな課題でした。武吉先生がいつもおっしゃるように、論理性の高いコッテリの中国語をいかにサラサラな読みやすい日本語に置き換えるかということが一番難しいことであり、今後もっと研鑽していくべき課題でもあるとしみじみ感じたところです。

この表現で日本語の経済書の中では一般的な表現であるか、何度も何度も納得いくまで検索をかけました。関連学術論文や記事を読み返しながら、膨大な作業を前に途方に暮れたこともありました――。

 

「専門用語の正確性」や「日本語の適切な表現」に腐心したとしながらも、森永さんは「ちゃんと腑に落ちる表現に仕上がった時の喜びはそれに勝るものでした」と翻訳の楽しさを語る。

さらに「まだまだ勉強が足りない私ですが、日本と中国の文化交流に微力ながらも貢献ができるようになれればと思っております。この新人賞を糧に今後もさらに研鑽して参りますので、温かい目で見守って頂けるとありがたい」。森永さんはそう、さらなるステップアップを目指している。

 

なお、2月20日(土)午後、東京・東池袋の豊島区立生活産業プラザで開催の日中翻訳学院「武吉塾」第15期公開セミナー(第4回「翻訳新人賞」授賞式)で、森永さんらによる翻訳体験談が報告される。

 

貴重な翻訳ノウハウを聞くことのできるチャンス! 多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

 

【訳者紹介】森永洋花(もりなが・ようか)

1976年中国生まれ。中学校の教員を経て、日本へ留学。日中翻訳学院「武吉塾」に入塾し出版翻訳を学ぶ。日中韓翻訳者としてIT、法律及び特許関連を中心に幅広い分野の産業翻訳に携わるほか、学術書の翻訳もこなす。また企業の中国語研修の指導も行う。