故郷を思う心

 

段躍中

 

 

 

中国の春節(旧正月、今年は2月8日)を前に、謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年もより一層努力してまいる所存ですので、なにとぞ変わらぬご支援、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

先日(1月31日)、中国湖南省の省都である長沙市に隣接する私のふるさと、婁底市(ろうていし)の地元テレビ局から連絡をもらい、スマートフォン(スマホ)を使って生番組に出演しました。

 

これは同日午後に生放送された、春節の子ども向け人気番組「少児春節聯歓会」。地元テレビ局の番組は、中国国内はもちろん、外国在住者でもインターネットを使って視聴することが可能です。

 

市内の何万人もの応募者から選ばれた子どもたちが、素晴らしい歌や踊りなどを披露するプログラムで、その中の1つ「外国で活躍する婁底市出身者」の1人として私にもお声がかかりました。

 

スマホの動画機能を使った私の視聴者へのメッセージは「(出演した)ふるさとの子どもたちは、中国の発展につれて私たちの世代よりもはるかに成長しているし、有望株だ。これから間違いなく世界に貢献する人材になるだろう」という期待と、「婁底市は小さな都市だが、人口460万人。アメリカ、日本、オーストラリアなど諸外国にも出身者が多くいる。こうした海外戦力をもっと活用してほしい」という希望の声です。

 

『湖南商人』http://duan.jp/item/131.html 『湖南省と日本の交流素描―中国を変えた湖南人の底力』http://duan.jp/item/106.html といった湖南省を紹介する弊社書籍を並べ、その本棚をバックにしてふるさとを応援する気持ちを示し、メッセージを伝える私の姿がテレビやパソコン、スマホを通じて生放送されたのです。

 

「少児春節聯歓会」の放送は昨年春節に続いて、今年で2回目。また携帯電話の無料アプリケーションで生放送が視聴できるようになったのは今年初めてということです。

そうした記念すべき「携帯ライブ放送」第1回の番組に、外国から出演することができ、大変光栄に思いました。

 

また郷里のめざましい発展にも驚きました。インターネットの発達で、今やアンテナがなくても携帯電話が1台あれば、郷里の番組をリアルタイムで見ることができます。ふるさとがグンと近くなり、世界がますます小さくなったことを実感しました。

 

ふるさとを18歳で離れて今年でちょうど40年。スマホの小さな画面から、変貌を遂げるふるさとの風景をながめたり、郷里の人々の懐かしいなまりを聞いたりするうちに、思わず目頭が熱くなりました。

それとともに婁底市の発展や、子どもたちの成長ぶりをスマホで瞬時に知ることのできる時代の変化に、一層感慨を深めている今年の春節シーズンです。

 

※ ふるさと「婁底市」を日本に紹介した記事(1992年10月号『We're』(4カ国語LIVE情報誌)http://jp.duan.jp/duan-ayumi/19920901Were.pdf