日本僑報社刊『よりよい共生のために』編著者

張剣波氏が「岡倉天心記念奨励賞」に内定!

 

受賞作の表紙

 

 

東アジア共同体の構築の政策を考究し提言することをめざす学術研究団体「国際アジア共同体学会」(進藤榮一会長)の第三回「岡倉天心記念研究奨励賞」に、日本僑報社刊『よりよい共生のために―在日中国人ボランティアの挑戦』の編著者である張剣波氏(中日ボランティア協会代表、早稲田大学政治学博士)が内定したことが12月2日、明らかになった。同学会事務局より、日本僑報社あてに連絡があった。

 

「岡倉天心記念研究奨励賞」は、同学会が2006年の設立以来、アジア地域統合の先駆的思想家で「アジアは一つ」を謳った、岡倉天心の思想と理念を思想的拠点としてきたのを記念して設けた研究奨励賞。

若手研究者を主な対象として2011年、2012年に続く今年、第三回の公募が行われ、これに対し日本僑報社の段躍中編集長が『よりよい共生のために』の編著者である張剣波を推薦。

 

同書で克明に記された中日ボランティア協会の活動として、2006年に設立された同協会が現在500人以上の会員を有し、ホットラインを設け、これまでに4000人余りの在日中国人から11000回以上の相談・援助要請を受けてきたことを紹介。

さらに「日本人弁護士からなる法律支援団の設立、日中友好協会やその他日本の様々な市民団体、労働組合などと密接な連携関係を築いてきた」ことなどを伝えた上で、「このような地道で堅実な活動を通して、様々な問題を解決し、在日中国人と日本社会とのよりスムーズな共生に大きく寄与してきた。(中略)これは、アジア共同体の形成と発展、『アジアは一つ』になるために、国境を超えた人の移動、異なる国家、民族のハーモニー的共生に資するものであるのみならず、日本における人口・労働力減少や少子高齢化対策、グローバリゼーションの時代における国際競争力の向上にも大いに寄与するものである。また、在日外国人移住者による自主努力の意味は大きい」と推薦の言葉を寄せた。

 

その後、厳正な審査の結果、『よりよい共生のために』の張剣波氏が3位に入選、「岡倉天心記念研究奨励賞」に内定したという。

 

授賞式は12月12日、東京都内で受賞者の張氏らの出席のもと、開催される予定。

 

張氏は「栄誉ある賞をいただき、望外の喜びです。これからも一層努力し、在日中国人社会と日中交流のため貢献したい」と受賞の喜びを語っていた。

 

 

■『よりよい共生のために―在日中国人ボランティアの挑戦』

張剣波・編著、中日ボランティア協会・監修、日本僑報社刊

http://duan.jp/item/197.html 

 

【内容紹介】

――中国人ボランティアグループ10年間の奮闘記。外国人との共生が求められる日本。異文化トラブルを解決するためのヒントを与えてくれる――。

情熱溢れるボランティアグループの奮闘、在日外国人と日本社会とのよりよい共生社会を構築するための挑戦をまとめた一冊。拝金主義と言われる現代中国社会の中で、彼らは伝統的中国の美徳を受け継ぎ、日本において現代市民の精神を学んだ。困難に陥った同胞を助け、日本社会との誤解や摩擦を減らすため堅実な歩みを続けて来た。人口減少、少子高齢化問題を抱える日本は経済規模維持のため、より多くの外国人の受け入れが避けられない状態にある。彼らの挑戦は日本社会のよりよい発展のためのヒントを与えてくれる。

 

【編著者紹介】張剣波:政治学博士、早稲田大学客員研究員、中日ボランティア協会代表。1995年4月より早稲田大学大学院政治学研究科国際政治専攻修士課程、博士後期課程。2006年2月18日に中日ボランティア協会を創設。著書に『米中和解と中越関係』など。

 

【監修者紹介】中日ボランティア協会(中国語:中日志愿者協会)は、在日中国人を中心に2006年2月18日に成立。現在会員500名余りと日本人弁護士12名からなる法律支援団を有する。ホットライン番号:080-3738-2888。24時間体制で相談、援助要請を受けている。これまでに日本全国と中国の4,000人余りから11,000回近く相談を受け、様々な相談や援助を行ってきた。