争えば共に傷つき相補えば共に栄える

『日中友好会館のあゆみ』日本僑報社から刊行決定

 

 

 

 日本僑報社9月11日の発表によると、公益財団法人日中友好会館顧問村上立躬氏の著書『日中友好会館のあゆみ―隣国である日本と中国の問題解決の好事例』(仮題)が、同社から刊行されることが決まった。11月初めに発売される予定。

 

 本書は、長年日中両国の相互理解に尽力してきた日中友好会館の30年あまりの歴史をまとめたもの。前身である財団法人善隣学生会館から参与を務め、日中友好会館理事長の経験もある村上立躬氏自らが筆を執った。

 

 日中両国の政界からも推薦文が寄せられ、中曽根康弘元総理は「苦渋に満ちた決断があり、進歩への確信があった」、唐家璇元国務委員は「手本として学び、前進する力を取り入れるのに値する」と本書出版の意義を讃えた。

 

 日中友好団体で唯一、保有する施設を活用しての事業を行って来た団体であり、現在まで幾多の優秀な人材を輩出し、日中交流の重要な基地へと成長してきた。

 

 本書は日中友好会館の長年におよぶ着実な行動が大きな成果を結んだ事を紹介することで、中国との関係に悩む産業界、政界に有効な視座を提供する。

 

 日中友好会館の歴史は同会館の精神である「争えば共に傷つき、相補えば共に栄える」のもと、歴史問題などの日中対立を乗り越え、いかに協力し共に発展していくかを示す好事例となっている。

 

 詳細な事業計画から中国訪問中の印象深い出来事、右翼組織とのトラブルなど波乱に満ちた歴史を詳細に記述し日中関係を語る上で欠くことのできない一冊となった。

 

 【著者略歴】村上 立躬(むらかみ たつみ)1935年9月13日生まれ。1958年慶應義塾大学経済学部卒。同年4月株式会社三菱銀行入行。1981年6月財団法人日中友好会館の前身である財団法人善隣学生会館の参与に就任。日中友好会館建設時には事務局長を務め、その後常務理事、理事長代行を経て、1995年6月財団法人日中友好会館理事長に就任。2012年理事長を退任し公益財団法人日中友好会館顧問に就任。中国社会科学院日本研究所中日経済研究中心顧問・特別研究員、清華大学美術学院中日文化交流名誉顧問なども歴任。