11回「中国人の日本語作文コンクール」過去最多の応募作4737本

50本以上応募の大学に贈られる「園丁賞」を発表

 

 

 

日本僑報社・日中交流研究所主催の第11回「中国人の日本語作文コンクール」は今年1月に正式にスタートし、日本に留学経験のない中国人学生を対象として、5月11日から31日まで作文を募集した。6月24日、主催者は集計の結果を発表した。

 

後援:日本国外務省、文化庁、在中国日本国大使館など、協賛:株式会社ドンキホーテホールディングス、安田奨学財団、東芝国際交流財団、メディアパートナー:朝日新聞社。

 

応募作文集計の結果、中国28省市区(前回は24)の180校(大学、専門学校、高校、中学校、前回は196校)から、総数4737本(前回は4133本)の過去最多となる作品が寄せられた。地域別では、遼寧省が応募学校数23校、応募数911本で、最多応募の地域に輝いた。

 

日本と中国の政治外交関係が依然難しい時期であるにもかかわらず、過去最多の地域数と応募総数を記録し、中国の若者たちの日本への関心の高さが示された形となった。

 

これに合わせ、日本僑報社・日中交流研究所は、今回の日本語作文コンクールの「園丁賞」を発表した。「園丁」とは中国語で教師のことを指しており、同賞は日中国交正常化35周年に当たった2007年の第3回から、学生の作文指導に実績のある学校と教師を表彰している。

具体的には1校で50本以上の応募があった学校を授賞対象としており、今回は大連外国語大学(323件)、大連工業大学(174件)、浙江万里学院(171件)など、過去最多の40校(前回は38校)を表彰することとなった。

 

今回の日本語作文コンクールのテーマは3つあり、

(1)戦後70年の今年、日中の青年交流を考える「日中青年交流について」 

(2)中国の若者の視点で、日本の理解できない点を説明する「なんでそうなるの?」 

(3)“第1回日本語教師「総選挙」in中国”といった趣で、自分の日本語指導教師のすぐれた点を紹介する「わたしの先生はすごい」。

 

戦後70年をふまえた中国の若者ならではの主張や、若者の本音がうかがえるような意義のあるユニークなテーマが選ばれた。

 

集計を見ると、応募総数4737本のうち、男性は714本、女性4023本と女性のほうが圧倒的に多かった(1人で複数作の応募も含む)。

またテーマ別では(1)1696本(2)1965本(3)1076件と、(2)の日本の理解できない点を説明する「なんでそうなるの?」が最も多かった。

 

応募作は審査員らの厳正な審査を経て、最優秀賞の「日本大使賞」、1〜3等賞、佳作賞、園丁賞などを選考。12月に中国・北京の日本大使館で開催される表彰式で、これらを表彰する計画となっている。

 

【中国人の日本語作文コンクール】日本僑報社・日中交流研究所が主催し、2005年にスタート。今回で11回目を迎える。この11年でのべ3万人近くの応募があり、第10回までの受賞者は958人に上っている。

日本僑報社は、毎年受賞作品を編集し、単行本として出版している。「中国若者たちの生の声」シリーズとして、これまでに第1回『日中友好への提言2005』から、第2回『壁を取り除きたい』、第3回『国という枠を越えて』、第4回『私の知っている日本人』、第5回『中国への日本人の貢献』、第6回『メイドインジャパンと中国人の生活』、第7回『甦る日本!今こそ示す日本の底力』、第8回『中国人がいつも大声で喋るのはなんでなのか?』、第9回『中国人の心を動かした「日本力」』、第10回『「御宅」と呼ばれても』の計10巻があり、中日両国のメディアや読者から好評を博している。

なかでも第2回『壁を取り除きたい』は、朝日新聞(2006年12月24日付)書評委員によるお薦め「今年の3点」に選ばれた。

 

【第11回・園丁賞】

1校で50本以上の応募があった学校(40校)のうち、100本以上の応募があった学校

○大連外国語大学------323

○大連工業大学--------174

○浙江万里学院--------171

○淮陰師範学院--------157

○浙江農林大学--------141

○華僑大学------------129

○岭南師範学院--------110

○武昌理工学院--------109

○寧波工程学院--------107

○運城学院------------104

○北京第二外国語学院--104

○青島大学------------100

○東華大学------------100

 

2015年園丁賞受賞者名簿

http://duan.jp/jp/2015c.htm