「私の日本語作文指導法」

在中国の日本語教師から続々寄せられる

 

 

 

日本僑報社は、今年の第11回「中国人の日本語作文コンクール」(主催:日本僑報社・日中交流研究所)の開催から、優れた日本語指導教師を表彰する「優秀指導教師賞」「指導教師努力賞」を創設した。※ 詳細: http://duan.jp/news/jp/201504272.htm

 

これとともに中国で日本語を教える教師たちを対象に、「私の日本語作文指導法」(仮題、タイトルは自由)をテーマとして、その指導体験や指導方法をまとめたレポート作品を随時募集しているが、4月末の呼びかけ後、作品が続々と寄せられている。

 

その第1号は、上海の同済大学で日本語を教える宮山昌治先生の作品で、タイトルは「〈面白み〉のある作文を」。

 

宮山先生は「日本語を学ぶ際にもっとも難しいのは作文」だとした上で、自身が考える作文指導の最終目標としては「間違いが少なく、意図がきちんと伝わる文章が書けるようになること」だと明らかにする。

 

その上で、独自の作文指導には三段階を置いており、「第一段階は、文法を中心に教える」「第二段階は、感想文の域を脱した、作文コンクールに出すに値する作文が書けるようになる」「第三段階は、論文が書けるようになる」こと。

 

とくに第二段階となる「作文コンクールに出すに値する作文」については、学生に対して、書店で売っている「模範作文集」の作文をそっくりそのまま真似るのではなく、「作文に個性があり、書いた人がどんな人なのか伝わってくる〈面白み〉のある作文を書いてほしい」と要望。

 

それには「自分が体験した例」を挙げながら、「体験から感じたこと、考えたことをしっかり記すことが必要」であり、その体験から感じた「驚き」や「驚きによる考えの変化を記せば、構成が豊かになるし、どのような考えなのかが強調されてよい」。

 

さらに「なにより、何か自分が体験したことで深く感じ、考えたことを言葉にすることが重要だ」とわかりやすく教えている。

 

続いての投稿は、重慶大学の木村憲史先生の作品で、タイトルは「私の作文教授法〜作文と論文のはざまで〜」。

 

木村先生は、これまで赴任した河南省や重慶市の大学では、日本語専攻学生の卒業論文は日本語で書くことが必須条件だったという経験を踏まえた上で、そうした学生への作文授業の最終目標は「日本語で卒業論文を書けるようにすること」だと自らの考えを述べる。

 

それには「主観的」な作文ではなく、「客観的」で「論理的」な論文を書かなければ評価されないという。

 

そこで「ペットにするなら犬がいいか、豚がいいか」という課題文を書かせた授業を一例として、「学生にはいつものような『作文』を書かせる授業を行いつつ、フィードバックの段階で『客観的』『論理的』な文章を自然と目指すように誘導」したとの指導法が具体的に紹介された。

 

「私の日本語作文指導法」レポートを早速、お送りくださった先生方には心より御礼を申し上げたい。またレポートは、引き続き募集中! 有益で参考になるレポートを多数お待ちしています。よろしくお願いいたします。

 

■「私の日本語作文指導法」(仮題)のお問い合わせと応募先

E-mail: sakubun@duan.jp  担当:教師体験文受付係

 

※ 「氏名、指導大学・学科名、略歴、日本語教師指導歴」をそれぞれ明記のうえ、必ずメールで、作品の文字数をご確認のうえ、添付ファイルでご応募ください。

※ メールの件名は「私の日本語作文指導法・応募」としてください。

 

※ 詳細: http://duan.jp/news/jp/201504272.htm

※ 第11回中国人の日本語作文コンクール: http://duan.jp/jp/2015.htm