日本僑報社

『若者が考える日中の未来』 4月下旬に刊行へ

 

本書の表紙を披露する宮本元大使と日本僑報社の段躍中氏。

 

 

日本僑報社3月2日の発表によると、宮本雄二・元中国大使が監修し、日本日中関係学会が編集した『若者が考える日中の未来』シリーズの第1弾、『日中間の多面的な相互理解を求めて〜学生懸賞論文集〜』(仮題)が、同社から刊行されることが決まった。4月下旬に発売される予定。

 

編集を務めた日本日中関係学会は、21世紀の日中関係を考える民間のオープンフォーラム。1992年の発足以来、多岐にわたる研究会やシンポジウムを開催するほか、2012年度には学生懸賞論文の「宮本賞」を創設、これまでに年に1度、計3回の開催を重ねている。

 

同賞は、若い学生たちに日本と中国、東アジアの関係に強い関心を持ってもらい、よりよい関係構築のために大きな力を発揮してもらおうと設けられた学生懸賞論文。「日本と中国ないし東アジアの関係に関わるもの」というテーマのもと、政治、経済、文化など幅広い分野を対象として、専門性の高い研究論文からオリジナリティーあふれる体験レポートまで、さまざまな形式の論文を募集している。

 

この2014年度の第3回には「学部生」「大学院生」の各部で合計49人が応募。中国大陸からも多くの応募があり、応募大学数は30校を超えた。論文のレベルもきわめて高く、日中の若者がいま何を考えているかが、如実に描写されている。

 

本書には、その第3回宮本賞の最優秀賞、優秀賞、佳作を受賞した12本の論文を一挙掲載した。「学部生の部」で見事、最優秀賞を受賞した間瀬有麻奈さん(愛知県立大学)の論文「日中間の多面的な相互理解を求めて」などを収めている。

 

宮本賞の審査委員長、および本書の監修を務めた宮本雄二氏は「論文のレベルは向上著しい。宮本賞は第3回目にしてようやく軌道に乗り、日中の若者による相互理解を深める上で、大きな役割を発揮し始めたと言える」(まえがき)と語っている。