日中関係とODAについて 岡田実氏が3/4講演へ

 

 

岡田実氏の著書表紙。

 

 

 

 日本僑報社は3月4日(水)午後、第8回「日本の友人が語る中国事情」シリーズ講演会を、東京中国文化センター(東京・港区虎ノ門)で開催します。

 

 講師は、元JICA中国事務所副所長で、現在、拓殖大学教授の岡田実氏。著書に『日中関係とODA―対中ODAをめぐる政治外交史入門』(日本僑報社)などがあります。

 

 講演骨子は下記の通りです。

 中国の改革開放から約35年。その間、資金協力や人を通じた技術協力を通じて一貫して中国の近代化建設と市場経済化を支援してきた対中政府開発援助(ODA)は、2007年度に円借款の新規供与が終了するなど、昨今その規模は大きく縮小しています。

 他方、欧米の主要先進国をはじめとする関係諸国は、中国の国際的な影響力の高まりを踏まえ、中国とのパートナーシップをますます強化する趨勢にあります。

 「ポストODA時代」が到来しつつある中で、今後の日中関係をどうしていくのか?これまでの対中ODAをエピソードを交えて振り返りながら、日中関係の今後を一緒に考えてみたいと思います。

 

 講演会の詳細は、以下の通り。

 http://jp.duan.jp/event/okada-leaf2015.03.04.pdf 

 大勢の皆様のご来場をお待ちしています。

 

 【講師プロフィール】

 東北大学法学部卒業後、民間企業勤務を経て、1988年にJICA入職。JICAでは北京大学留学、中国事務所員、中国援助調整専門家、中国事務所副所長として約10年間対中ODAに従事した他、本部、外務省、研究所等で勤務。2010年、法政大学大学院で政治学博士号を取得し、2012-13年度法政大学法学部兼任講師。2014年拓殖大学国際学部教授に就任。主著に『日中関係とODA―対中ODAをめぐる政治外交史入門―』(日本僑報社)、『「対外援助国」中国の創成と変容1949-1964』(お茶の水書房)、『僕らの村からポリオが消えた―中国・山東省発「科学的現場主義」の国際協力』(佐伯印刷)がある。

 

 

『日中関係とODA―対中ODAをめぐる政治外交史入門』

【内容紹介】 http://duan.jp/item/081.html 

 

[推薦の言葉]歪みをも含んだ対中“情緒”も蔓延する今日の日本にあって、中国との関係をどう切り結ぶか、具体的な対処案を真剣に描こうとするひとびと、あるいは、日中関係を、国交正常化以来の歩みとして基礎から学ぼうとするひとびとに、本書を薦めたい。 ――菱田雅晴・法政大学教授

 

[目次]

第一章 第一の文書「日中共同声明」―1972年

第1節 「日中共同声明」には何が書かれているのか?

第2節 なぜ1972年に国交が「正常化」したのか?

第3節 日中国交正常化にはどのような歴史的意義があるのか?

 

第二章 アジア諸国との戦後処理

第1節 「戦後処理」「戦後賠償」とは何か?

第2節 アジア諸国との戦後処理はどのように行われたのか?

第3節 韓国との戦後処理はどのように行われたのか?

第4節 中国との戦後処理と他のアジア諸国との戦後処理はどう違うか?

 

第三章 第二の文書「日中平和友好条約」―1978年

第1節 「日中平和友好条約」はなぜ1978年に締結されたのか?

第2節 対中ODAはなぜ1979年に開始されたのか?−「1979年体制」の政治構造

第3節 「戦後和解」における対中ODAの意義

 

第四章 第三の文書「平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言」―1998年

第1節 なぜ1998年に共同宣言が出されたのか?

第2節 1990年代後半以降、ODAをめぐってどのような議論があったのか?

第3節 対中円借款はなぜ終了したのか?

 

第五章 第四の文書「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」―2008年

第1節 首脳外交の再開―「破氷之旅」「融氷之旅」から「迎春之旅」「暖春之旅」へ

第2節 5.12−四川大地震への緊急援助と日中関係の転換

 

終わりに―日中平和構築に向けて