木寺昌人大使、「中国人の日本語作文コンクール」を高く評価 表彰式で挨拶する木寺昌人大使。日本僑報社提供 「第10回中国人の日本語作文コンクール」の表彰式(12月12日、北京の日本大使館で開催)で、木寺昌人大使は今年10周年を迎えた同コンクールに対し、「今や日本語を学ぶ中国人学生にとって参加することが大きな目標となるほどの大会に発展した」と高く評価。 その上で「安定した日中関係に大切なのは、若い世代が様々な交流を通じて感動を共有すること。今後ますます、同世代の日本の若者との交流の機会を作り、たくさんの感動を共有してほしい」などと日本語を学ぶ学生たちを激励した。 木寺昌人大使の挨拶(抜粋)は以下の通り。 ◇ ◇ ◇ 「第10回中国人の日本語作文コンクール」の表彰式が開催されることに心からお慶び申し上げます。今年の日本大使賞を受賞された東華大学の姚儷瑾(よう・れいきん)さん、本当におめでとうございます。 今年で10周年を迎えた本コンクールは、今や日本語を学ぶ中国人学生にとって参加することが大きな目標となるほどの大会に発展しました。日中関係がいかなる時期であっても本コンクールを開催し続けてこられた段さん、そしてその活動を一貫して支援されてきた関係者の皆さまに、この場をお借りして心からの敬意と感謝の意を表したいと思います。 私が常々強調している日中友好のキーワード、それは「感動の共有」です。1986年に中華全国青年連合会の招へいで中国を初めて訪問し、その際に中国側の関係者と感動を共有したことが、私と中国とのつながりの原点となっています。 将来にわたり安定した日中関係を築くために大切なのは、若い世代が様々な交流を通じて「感動の共有」を積み重ねていくことだと思っています。 日本大使賞を受賞された姚さんの作文のタイトルは、「ACGと日中関係」です。こうした新しい言葉が生まれるほどに、日本のACGは、中国の若者に感動を与えています。姚さんのエピソードは、感動した時間や場所は違っても、同じ感動を受けた者同士であれば容易に心を通じ合うことができる、その証だと言えるでしょう。 先月、ここ北京で約2年半ぶりに実現した日中首脳会談は、日中両国の関係改善に向けた大きな一歩となりました。しかし、これはゴールではなく、これからのステップにすぎません。関係改善の流れを確かなものとしていくには、これまで以上に日中の間で「感動の共有」を積み重ね、相互理解を深めていく必要があります。 今後ますます、皆さんが同世代の日本の若者との交流の機会を作り、たくさんの感動を共有できるよう、私たち日本大使館としても様々な努力を続けていきたいと思います。 |