日中翻訳学院 翻訳家に「感謝状」贈呈

 

武吉先生(右)に感謝状を贈呈する段躍中氏。

 

 

 日本僑報社・日中翻訳学院の「第1回日中中日翻訳フォーラム」が4月5日、東京・西池袋の豊島勤労福祉会館で開催され、関係者ら50人余りが出席し、日本僑報社の段躍中編集長が司会進行を務めた。

 

 フォーラムでは、日本僑報社・日中翻訳学院から、翻訳家の武吉次朗氏(元摂南大学教授)と、同社から最新刊『紅の軍』(共訳)など著書・訳書を多数出版している渡辺明次氏(梁祝文化研究所所長)の、長年にわたる日中翻訳業務や翻訳人材育成への尽力に対し「中国と日本の文化交流及び相互理解促進のために多大な貢献をされた」として感謝状が贈られると、会場からは大きな拍手が起こった。

 

 武吉氏は1932年生まれで、1958年に中国から帰国すると、日本国際貿易促進協会にて常務理事などを歴任。1990年には摂南大学国際言語文化学部の教授に就任し、2003年の退官後は日本国際貿易促進協会相談役、一般社団法人中国研究所顧問を務める傍ら、翻訳活動も続けている上、日中翻訳学院では「武吉塾」にて翻訳者の育成にも取り組んでいる。「武吉塾」は毎回受講者募集開始後すぐに定員に達する人気講座で、修了後、翻訳者としてデビューした生徒も誕生している。武吉氏の最新刊は2007年に発行されたロングセラー「日中・中日翻訳必携」の姉妹版「日中中日翻訳必携・実戦編」で、日中翻訳に携わる人々から高い評価を得ている。

 

 一方の渡辺氏は1941年生まれで、1972年から高校で教鞭をとり、2002に定年退職後、北京外国語大学に留学。同大学の卒業論文を「梁山伯祝英台伝説の真実性を追う」として日本僑報社から出版し、続けて翻訳書の「小説・梁山伯と祝英台」、「梁祝口承伝説集」の『梁祝三部作』を刊行した。その後は孟姜女伝説の存在する土地で実地踏査を行い、2008年に「孟姜女口承伝説集」として刊行。2009〜2011年には湖南省の湘潭大学外国語学部で日本語教師も務め、帰国後第一弾として、共産党軍の歴史的転戦「長征」の過酷な道のりを叙事詩化し中国で話題を呼んだ「長征史詩」の日本語版「紅の軍」(続三義氏との共訳)を2014年3月に刊行した。

 

渡辺先生(左)に感謝状を贈呈する段躍中氏。