『日本語と中国語の妖しい関係』 埼玉県知事のブログで紹介

 

写真は埼玉知事のブログ

 

埼玉知事から段躍中氏宛の葉書

 

 

 日本僑報社が今年7月に出版した『日本語と中国語の妖しい関係』(松浦喬二著)が、このほど上田清司・埼玉県知事のブログで紹介され、漢字をめぐる交流の輪が広がっている。

 

 上田知事が埼玉県のホームページで連載中のブログ「知事の太鼓 打てば響く」は、930日と101日の2日間にわたって『日本語と中国語の妖しい関係』の内容を詳しく取り上げた。「日本と中国でこれほど意味の違う漢字」「日本から中国に輸出された漢字」と題して、「手紙」「汽車」など日中で意味が異なる漢字や、「人権」「哲学」「環境」など、近代の日本で作られ、中国に取り入れられた熟語について紹介。「同じ漢字でも日本語と中国語ではこれほど意味が違うのかということを改めて知った」「言葉はブーメランのように国と国、文化と文化の間を言ったり来たりするもの」と率直な感想が綴られている。

 

 上田知事は、他の日のブログでも自ら「漢字クイズ」を出題したり、文化庁発表の「国語に関する世論調査」の結果を紹介するなど、漢字・国語問題について積極的に発言し、「世界に誇るべき漢字文化を大切に守っていかなければならない」と記している。今回のブログ記事を見た段躍中・日本僑報社編集長が取材を申し込んだところ、筆まめな知事は手書きの葉書で快諾。著者の松浦喬二氏にも「日中の二千年にも及ぶ文化交流の歴史を顧みて、両国の英知で日中間の課題が解決されることを私も願っています」とメールでメッセージを送った。

 

 『日本語と中国語の怪しい関係』は、日中の共通財産である「漢字」を軸に、日本語と中国語の特性や共通点・異なる点を分かりやすく記している。特に近代以降、西欧文化を吸収するために日本で作られ、中国人留学生によって現代中国語に取り入れられた新造語について詳しく紹介している。発売直後から話題を呼び、『AERA』などメディアでも取り上げられた。著者の松浦氏は1937年吉林省生まれ、1953年まで中国に留まり、日本で出版社勤務ののち、現在は中国進出企業へのコンサルタントに携わる。「本書は日中問題をもう一度日本語と中国語という言葉、文字の問題にまでさかのぼって検証し、今後の日中問題をどう解決すべきかについて問題提起の一助となればと筆を執った」と記している。

 

『日本語と中国語の怪しい関係』 http://duan.jp/item/149.html

埼玉県知事ブログ http://www.pref.saitama.lg.jp/site/room-taiko/

 

『日本語と中国語の妖しい関係』表紙