東京漢語角 第5回日中友好合同観桜会開催

コンクール受賞者、漢語角で初めての記念写真。岩楯嘉之撮影

 

「日本僑報」によると、3月も終わり(31日)の日曜日午後、今にも降り出しそうな空のもとの東京西池袋公園において東京漢語角、日本湖南人会、湖南省友の会、NPO日中交流支援機構合同の散りゆく花を惜しむ交流会が開かれた。

交流会には約50名の人々が集まり交流と会話に花を咲かせたほかギター演奏の古澤さん、ギターとピアノ弾き語りのbisqさん、芽亜利・Jさんと多彩なゲストによる歌と演奏が行われ参加者を楽しませてくれた。

当日は日本僑報社、日中交流研究所が主催する「中国人の日本語作文コンクール・第6回メイドインジャパンと中国人の生活」学生の部で入賞した碩騰さん、社会人の部で入賞した胡新祥さん、第8回佳作賞に選ばれた劉依蒙さんが初めて参加し日本流花見を楽しんだ。

劉依蒙さんは2年前の平成2311月「平成23年度中国高校生訪日団」第5396名の一員として来日した折歓迎会に出席したNPO法人日中交流支援機構岩楯事務局長、瀋陽出身の留学生劉暢さんと同郷として話が弾み、日本語の勉強にと積極的にメール交換をしながら、高校卒業後の昨年来日し今年みごと東京工業大学に入学した。

碩騰さんは東北育才学校高等部1年生の時の応募作品「日中両国のものづくり」で見事一等賞の栄誉に輝いた。作品は日本と中国のものづくり精神の違いについて道路工事、アメリカの排ガス規制マスキー法が施行された時の本田自動車工業社員のものづくりに対するこころ「我々が努力しているのは会社のためではなく、社会のためである」という真のものづくり精神。日中の技術と精神が合体協力し社会のためのものづくりを通じてより良い世界を作る夢を、世界の仲間と育みたいと作品で述べ、その実現に向け今年劉依蒙さんと同じ東京工業大学に入学した。

今、中国は環境汚染が大きな問題となっている。経済の発展に伴い工業化が進み、大規模工場の増加と共に汚染された工場排水、大気中に放出される汚染ガス、車社会移行による自動車の排気ガスなどが大気中に大量に放出され、人々の健康に大きな影響をもたらしている。過去何処の国においても国の近代化、発展に伴い発生した問題である。日本においても過去苦い経験をして現在がある。

環境問題一つをとっても日中が協力して解決していくことに何ら難しい事はないのではないか。日本は経験者としての知識と技術を提供し、中国はそれを素直に受け入れる。両国の大人たちは未来ある子供たちを健康な状態で次の世代に送り出す責任がある。そのための知識を学びに来日した二人の将来に期待するとともに、日中両国の関係が好ましくない状況の中でも積極的に日本留学を応援してくれた二人のご両親に感謝する。

今年の日本列島は異常気象の影響か西日本から関東地方まで一斉に桜が開花したため、本来であれば日本列島を1ヶ月かけて西から徐々に北上するさくら前線の便りが聞かれないという何とも風情のない開花となってしまった。そのためか花見の心の準備も整わないうちに散り始めたという、美しく咲いた桜に申し訳ない年となってしまった。

 

満開の桜を楽しむ漢語角参加者。段躍中撮影

 

漢語角で交流する日本湖南人会の皆さん。段躍中撮影