東京漢語角参加者 「雪解けの季節が来る」を語る

 

26日付の「日本僑報電子週刊」に、初めて星期日漢語角(日曜中国語コーナー)を参加した日本人読者坂本安廣氏の感想文を掲載した。坂本氏は今月1日北京留学から帰国したばかりで、中国での勉強と生活、日中関係に関する見方などを漢語角参加者に紹介したほか、日本僑報電子週刊編集部に下記の感想文を寄せられた。

漢語角で瀬野清水前重慶総領事(左)と交流する坂本安廣氏。段躍中撮影

漢語角でギターを演奏する日本人参加者。段躍中撮影

 

23日、かねてから噂に聞いていた池袋での漢語角に初めて参加した。

当日は小春日和で寒さも少し和らぎ、西池袋公園は温かい冬の日差しが柔らかくこぼれる気持ちの良い一日であった。午後2時半開催と聞いていたので2時過ぎに現地に到着してみると、公園にはそれらしき人たちが既に20人ぐらい集まり、いくつかのグループに分かれて会話が盛り上がっている様子。

恐る恐る近づいて、「失礼ですが漢語角の方ですか?」と聞くと、「そうです。」とのこと。

初めての参加の旨を伝えると、事務局長の中村さんから、「初参加の方は出席者名簿に記名し、後で日本人は中国語で、中国人は日本語で自己紹介をしてください。今日は中央電視台(CCTV)の録画が行われます。」とのこと。

その後続々とメンバーが集まってきて、2時半を過ぎるころには60人以上に膨れ上がり、いくつもの小さなグループができてそれぞれ日中間のよもやま話に花が咲いた。

聞いたところでは今回は約10人の初参加者がおり(日本人と中国人半々ぐらい)、中村さんの司会により初参加者の自己紹介となった。CCTVのカメラに緊張しながらも、一年半の北京留学を終えて日本に帰ったばかりという自分の来歴、中国とのかかわり、なぜこの会に参加したかなどを中国語で紹介した。

他の初参加の方も、中国人は流暢な日本語で、日本人は上手な中国語で自己紹介を行い、この会への関心の高さと期待、参加者のレベルの高さを伺わせた。

自己紹介が済んだところで、女性歌手のBISQさん(ビスケットが語源らしい)の中国語によるギター弾き語りがあり、世界に平和を願う歌を切々と歌い上げた。

途中から主催者の段躍中さんも参加され、当日のゲストの紹介などが行われて会は大きな盛り上がりを見せた。今回自分も実感できたのは、政治も経済も冷めきった現在の日中両国間において、両国の誤解を取り除き、相互理解を深めるためにはこのような草の根交流しかないということである。同時に、現在各界で注目を集めているこの会を今まで270回以上にもわたって運営されてきた段さんのご苦労はいかばかりであったろうかと思いをはせ、気が遠くなる心地がした。

3時半ごろに近くの料理屋に席を移して春節を祝う新年会となったが、公園を去りながら振り返ると、公園の中には小春日和の温かい日差しとこの集りの熱気がまだ残っていて、今の凍てつくような日中関係にも遠からず雪解けの季節が来るであろうことを予感させた。