中国高校生長期招へいプログラム第6期生帰国前報告会 東京で開催

 

高校生たちと阿南所長の記念写真。岩楯嘉之撮影

 

「日本僑報」によると、721日午後、国際交流基金本部JFICホールにおいて、中国高校生長期招へいプログラム第6期生の帰国前報告会、修了証書授与式、歓送会が、主催者国際交流基金日中交流センター、外務省、中国大使館、支援企業、ホストファミリー他関係者多数参加のもと盛大に開催された。

当事業は、将来の日中関係を築く礎として、より深い青少年交流を実現させるため、日中両政府間合意のもと、2006年より開始された。

昨年830日に来日した第632名の高校生たちは、北は北海道から南は沖縄まで日本全国に分かれ、日本の家庭で生活しながら日本の高校で日本人の高校生とともに勉強に、クラブ活動に励み、日本での生活や人々との交流を通して日本社会や日本文化を体験した。

主催者を代表して阿南惟茂日中交流センター所長は、40年前は年間1万人の往来が今や500万人に達している。しかし、最近の日中間の微妙な問題のため、日本人の85%が中国を嫌い、中国人の65%が日本人を嫌っていると最近発表されているが、来日した高校生たちの感想文では、日本の家族、クラスメート、学校の先生、周囲の人々との交流を通じて身をもって感じた日本と日本人が好きになり、再び日本に来たいと書いていることに力強さを感じ、将来の日中関係は明るいものと確信すると挨拶した。

来賓として参加された中華人民共和国駐日本国大使館教育処李一等書記官は、32名の学生たちは民間大使として友好の種をまいてくれた。みなさんが体験した心と心のつながり、心連心を大切に将来の日中関係に役立ててほしいと述べた。さらに、日本人高校生の長期招へいプログラムが企画されていることを披露した。

生徒を代表して福井県敦賀気比高等学校に留学した済南外国語学校の米淳華さんはホームステイ先で時間管理が出来るようになったことや、言葉使いを丁寧に指導してくれた人、人との心のつながりの大切さを教えてくれた人など滞在中にかかわった全ての人に感謝すると述べた。

秋田県立秋田北高校に留学した東北育才高校の王華一君は、入学と同時にバスケットボール部に入部し、練習の厳しさ、試合で最後にシュートを決めたこと、チームプレーの大切さを学んだことなどを発表した。

昨年の歓迎会では不安そうな顔をしていた生徒たちも、歓送会では全員が自信に満ちた笑顔を見せてくれた。歓迎会で親しく会話した何名かの生徒たち、埼玉県蕨高等学校へ留学した石家荘外国語学校の王珏さんはディズニーランドに行ったこと、鹿児島県立武岡台高等学校へ留学した石家荘外国語学校の廬雨聡さんは指宿で砂風呂を経験したこと、山形県羽黒高等学校へ留学した北京市月壇中学の喬倩倩さんはサクランボを食べすぎてお腹を壊したこと、沖縄県立向陽高等学校へ留学した済南外国語学校の張馳さんは伊江島に旅行したおり沖縄の米軍基地の現状に考えさせられたことなど、皆それぞれが経験した貴重な体験やかかわった人たちとの交流を大切にしたいと話してくれた。若い人たちの民間における心と心のつながりが今の日中両国にとって最も必要とされていることであろう。(岩楯嘉之・NPO日中交流支援機構事務局長)