中日民間交流の懸け橋 ――東京の「日曜中国語コーナー」を訪ねて 新華社東京特派員 藍建中 一部参加者による記念写真。関賢一郎撮影 (中国通信=東京)東京7日発新華社電子版は、中日民間交流の懸け橋と題して、東京の「日曜中国語コーナー」訪問記を配信した。内容次の通り。 7日午後2時、東京池袋駅付近の西池袋公園で、「日本僑報社・星期日漢語角(日曜中国語コーナー)」の横断幕の下に、数十人の日本の中国語愛好者と中国人ボランティアが一緒に集まっている。これはもう163回目の「日曜中国語コーナー」活動だ。新華社電子版が同日付けで報道した。 活動は、みんなが中国語と日本語で自己紹介を行うことから始まる。28歳の竹内和貴さんは、自分は2004年から09年まで、中国の鄭州大学に留学し、その後日本の会社に就職しているが、今月末に中国の大連に仕事で行くため、中国語コーナーのよい機会を逃さす練習をしていると語った。みんなが彼の話す中国が流ちょうだと褒めると、竹内さんは謙遜(けんそん)して「大したことじゃありません。私のこつはしょっちゅう自由市場に行って中国の人と雑談することです」と答えた。 中村洋一さんは中国語コーナーの熱心なボランティアだ。彼は中国語を10年以上学び、かつて中国の山西大学に1年間留学したことがある。自分の名前を紹介する時「私は中村です。中国の中と農村の村です」と言ってみんなを大笑いさせた。 田中久実さんは日本語学校で教師をしており、彼女の学生の多くは中国人留学生のため、自分の中国語のレベルを上げ、授業をより効果のあるものにしようと、今日わざわざ中国語コーナーに駆けつけた。 中国語愛好者の古澤聡さんは、100回以上この活動に参加している。彼はきれいな中国語で自己紹介をし、みんなの拍手を浴びた。この場に居た中国語コーナーの創設者である、日本僑報社の段躍中編集長の紹介によると、古澤さんはよく池袋でギターの演奏をしており、何人かの中国人ギター愛好者と意気投合して仲の良い友人となり、互いにギターの腕を磨き合うだけでなく、お互いに中国語と日本語を教え合っているという。段氏はまた、古澤さんは、移動中国語コーナーを作ったと言えると語る。 在日華人の劉霞林さんもボランティアで、その仕事は主に日本人と交流し、発音と文法を直し、同時にさまざまな質問に回答し、彼らの中国に対する理解を深めることだ。岡崎十郎さんも中国語コーナーのボランティア。この活動に非常に熱心で、幾度も出張から帰って来て、飛行場から直接中国語コーナーに駆けつけている。 段氏の紹介によると、お互いの会話や交流のほかに、中国語コーナーでは時折、中国から日本を訪れている各界の名士に中国紹介の講座を行ってもらい、翻訳技巧の紹介、成語の由来の解説などをしてもらうという。段氏は今日、中国で発行されている少なからぬ中国語の新聞・雑誌といくらかの日本の中文新聞を持ってきており、無償でその場にいた中国語愛好者に配布した。 自己紹介が終わった後、みんなは2、3人ずつそれぞれ集まって交流を行う。何人かの日本人が互いに中国語学習の体験を話し合うグループもあれば、中国人ボランティアに教えてもらう人もいる。話題は非常に幅広く、中国の高速鉄道、人気のテレビドラマ、女性の地位、旅行・観光なども含まれる。ある年配の紳士は「打頭陣(先陣を切る)」の中の「打頭」の意味がわからず(「先頭に立つ」のほか「頭をたたく」の意味にもとれる)、理髪が上海で「打頭」(「打」には「刈る」の意味もある)と言われることをもっと不思議に感じていたが、みんなの説明を聞いて目からうろこだったという。 活動は3時間近く行われ、ボランティアの人が横断幕の片付けを手伝い始めた。ある年配の婦人が、名残惜しそうに「まだ5分あるわよね」と言った。 段氏の紹介によると、東京の「日曜中国語コーナー」は日本僑報社が2007年8月5日に始めたもので、毎週日曜日の午後、西池袋公園で3時間行われ、3年間の参加者は延べ6000人を超えている。最年長の中国語愛好者は87歳の老婦人で、既に20年以上中国語を学んでいる。最年少は3、4歳の子供で、両親に連れられてきており、中国語で自己紹介ができる。西池袋公園を通りかかる多くの通行人も、中国語コーナーに引かれて積極的に参加する。 中国語コーナーは日本人の中国語学習を手助けするだけではなく、日本に来たばかりの中国人留学生と日本人の交流、日本語の学習を助ける場でもある。大勢の若い人たちが中国語コーナーというこの架け橋を通して友人となり、皆で互いに引っ越しを手伝ったり、一緒にカラオケに行ったり、野球をしたりしている。中には恋人同士になった若者もいる。 今年52歳になる段躍中氏は1991年日本に留学し、新潟大学の博士学位を取得した。この20年間に、在日中国人文献資料センター、「日本僑報」及び日本僑報出版社などを創設した。東京西池袋の中国語コーナー以外に、段氏は日中の友人と共に広島中国語コーナーなど三つの地方で中国語コーナーを始めた。いまや中国語コーナーは中日民間交流の「有名ブランド」になっている。 漢語角で取材する新華社東京特派員の藍建中さん(右) 段躍中撮影 |