第十回華人学術賞発表 早稲田大学中国人博士受賞

早稲田大学白井克彦総長に受賞作品を贈呈する晏英博士。日本僑報社提供

 

929日、日中国交正常化38周年を記念して、日本僑報社は第十回「華人学術賞」の受賞作品を発表した。早稲田大学大学院公共経営研究科にて博士号を取得した晏英氏が書かれた博士学位論文『近代立憲主義の原理から見た現行中国憲法―ソ連的マルクス主義の影響を踏まえて』が受賞した。

早稲田大学大学院公共経営研究科縣公一郎教授、石田光義教授と北川正恭教授が晏英博士の作品を推薦し、次のように高く評価した。

「中華人民共和国憲法の将来像を探る意欲作」、「本書は、中国国民の憲法政治意識を取り戻し、中国の政治改革に一石を投じることが期待できるでしょう」。三人の著名な教授が同時に留学生の論文を推薦するのは史上初である。

晏英博士は1968年中国江西省に生まれる。10年間公立学校教師を経て、2003年に来日。2007年、山梨学院大学大学院社会科学研究科修士課程修了。20109月に早稲田大学大学院公共経営研究科博士課程修了、公共経営博士号を取得。20105月、Global Voices from Japan コラムコンテスト最優秀賞を受賞。現在は研究者の傍ら時事論説員として活躍中。

日本僑報社が2002年に中日国交正常化30周年を記念して創設した「華人学術賞」は、中国人博士の学術成果を日本社会に広く紹介することが目的である。8年間、すでに12人の中国人博士が受賞した。

現在首都経済貿易大学教授李仲生博士の『中国の人口変動』、中国国務院僑務辧公室局長を務めている朱慧玲博士の『日本華僑華人社会の変遷』、日本の東洋大学准教授王学群博士の『現代日本語における否定文の研究』、清華大学教授楊艦博士の『近代中国における物理学者集団の形成』、曁南大学教授陳海権博士の『日本流通企業の戦略的革新』、慶応義塾大学講師康鴻音博士の『近代の闇を拓いた日中文学―有島武郎と魯迅を視座として』、中国社会科学院日本研究所研究員呉懐中博士の『大川周明と近代中国―日中関係の在り方をめぐる認識と行動』、中国社会科学院マルクス主義研究院研究員鄭萍博士の『早期毛沢東の教育思想と実践』、華南師範大学教授陸小媛博士の『現代中国の人口移動とジェンダー』、慶応義塾大学経済学部助手徐一睿博士の『中国の財政調整制度の新展開』、南京師範大学教員劉燦博士の『現代中国農村の高齢者と福祉』などが華人学術賞を受賞した。受賞後、彼らの学術成果は、日中両国特に研究者から高い注目を浴びている。