「中国人の日本語作文コンクール」受賞感想文

 

交流の輪を広げよう

――感謝の言葉にかえて

 

早稲田大学一年生 鄒清揚

 

 

 

 

このたびは、中日国交正常化五十周年にあたり行なわれた18回中国人の日本語作文コンクールで、入賞の栄誉にあずかり、心から感謝を申し上げます。

 

高校生だった時、上海の町にある看板の言語標識に関心を抱きました。色々と調べる過程で誤訳の種類、また誤訳が発生する原因に興味を抱き、分析した上で、「街中にあふれる誤訳を減らそう」という作文を書きました。「看板を見れば、街の文化がわかる」とも言われています。看板は情報発信力のシンボルなのです。看板をもっと美しく、もっと楽しいものにするためには、やはり誤訳を減らしていくことが必要だと思われます。資料を集め、指導先生の指導のもとで原稿を作り、修正を重ねました。

 

今回、三等賞に選んでいただき、なおかつ安田奨学財団の奨学生に採用されたのは、私にとって大きな励みになりました。これはひとえにご指導いただいた先生方のおかげ以外の何ものでもありません。深く感謝申し上げます。今後もよりいっそう勉学に励み、中日両国の友好に貢献できるように頑張りたいと思います。また日本語を使って、さまざまなことに積極的に挑戦して、可能性をよりいっそう広げていきたいと思っています。

 

さて、ここで一冊の本を紹介したいと思います。中学校の頃、敦煌莫高窟の美術展を見て、敦煌の美に魅了されました。そして2019年夏休み、伊豆半に旅行に行った際、湯ヶ島にある井上靖の旧邸を訪れて、井上靖が『敦煌』という小説を書いていたことをはじめて知りました。しかしその時、私はまだ日本語の小説を読みこなせませんでした。とても残念に思ったことを今でも覚えています。そこで帰国後、さっそく中国語訳の『敦煌』を読みました、さらに大学に入学した後、図書館で『敦煌』の原作を借りて、はじめて井上靖を日本語で読む経験をしました。『敦煌』を通して私は、古代西域の文化や風習が独特なものであることに気づきました。中国文化に寄せる日本人の、中国人とは異なる見方にも接することができたように思います。

 

井上靖の素晴らしい作品は敦煌に対する日本人の関心を高めたばかりでなく、中国人の共感も呼び起こしたといわれています。『敦煌』をきっかけにして、敦煌は中国文化の中でも関心を呼ぶ地域となり、中日両国で敦煌ブームを巻き起こしたことも知りました。『敦煌』を通じて、中国文化に対する理解が深まり、中日の間での異文化交流の輪が広がっていったのです。『敦煌』を読んで私は、井上靖の作品が中日の文化交流に与えた影響を実感しました。このような井上靖の作品は、私に大きな示唆を与えてくれたように思います。

 

いま日本に留学中の私たちは中国の状況を日本の人に伝えるだけでなく、日本の真実の状況を中国の人に伝えていく必要があるのではないでしょうか。この度、作文を書くことを通して私は、中日の友好的な交流のために何ができるのか、何をしなければならないのか、改めて考えるようになりました。作文コンクールは私に得難いきっかけを与えてくれました。参加させていただき、本当によかったと心から思っています。これから私は、来たるべき中日国交正常化百周年に向けて、中日間の交流の輪を広げていくことに貢献していきたいと切に願っています。そのためにも大学で真剣に学び、また日本人と日本語で積極的に交流していこうと思っています。

 

最後となりましたが、中日関係発展のために意義深い交流の場を提供してくださった日本僑報社・日中交流研究所をはじめ、ご尽力いただいた関係者の皆様に改めてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

不断推进中日友好交流

——中国人日语作文大赛获奖感想

 

早稻田大学本科一年级 

 

 

2022年正值中日关系正常化五十周年,我参加了第18届中国人日语作文大赛并有幸获奖。

 

读高中时,我就对上海街头的外文标识产生了浓厚的兴趣。人们都说,从店招标识,能够看出当地的文化。换句话说,标识是信息传播的象征。为了让店招标识更加美观、更加令人愉快,必须努力减少标识的误译。我通过实地调查,收集了很多相关的照片和资料,分析标识误译的类别以及原因,在指导老师的悉心指导下,经过反复修改完成了文章。

 

作文《减少街头标识中的误译》在大赛中获得三等奖,并被安田奖学财团录为奖学生,对我来说是莫大的鼓励。在此对我的指导老师以及支持和帮助我的各位表示深深的感谢,成功离不开你们的帮助!今后我要不断学习不断探索,为中日友好奉献自己的绵薄之力。

 

接下来,我要介绍一本对我影响很大的书。初中的时候,我参观了一场敦煌莫高窟美术展,被敦煌的美深深地吸引。2019年暑假,我在伊豆半岛旅游时偶然参观了位于汤之岛的井上靖故居,这才知道井上靖写过一本名为《敦煌》的小说。那时我还看不懂日文原版的《敦煌》,感到有些遗憾。回国之后,我立即读了中文版《敦煌》。读大学后,我又从图书馆借到《敦煌》,第一次读了井上靖的日文原版作品。通过阅读《敦煌》,我了解到古代西域独特的文化与风俗,也意识到日本人看待中国文化的视角与中国人截然不同。

 

井上靖杰出的作品不仅激发了日本人对敦煌的兴趣,也引起了中国人的共鸣。《敦煌》一书不仅使敦煌成为了中国文化中代表性的地域符号,还在中日两国掀起了一场“敦煌热”。《敦煌》加深了日本人对中国文化的理解,也扩展了中日文化交流之环。读完《敦煌》,我深切地意识到井上靖的作品对促进中日文化交流的深远影响。这就是《敦煌》给予我的启示。

 

身为在日本留学的学生,我们不仅要让日本的人们了解中国,也需要让中国人了解真实的日本。通过读《敦煌》和写参赛作文,我重新思考了以下几个问题:我们能为中日友好做些什么?中日友好交流的过程中,什么是必不可少的?这次作文大赛给了我一个难得的机会。面向将来的中日关系正常化一百周年,我将在留学期间不断提升自己的素养和能力,为拓展中日文化交流而不懈努力。

 

最后,再次由衷感谢为中日关系发展提供交流平台的日本侨报社、日中交流研究所,以及为此付出不懈努力的女士们、先生们。谢谢大家