日中双方に伝えたい    

           「私の知っている日本人」

『第四回中国人の日本語作文コンクール受賞作品集』序文

 

日中交流研究所所長 

 

 

 

 

私の知っている日本人本書にはたくさんの「私の知っている日本人」が登場します。それぞれが作文応募者のかけがえのない友人や恩師であり、民間交流の結晶がそこにあります。それらの交流は日中のかけがえのない財産であり、更なる日中関係の改善へつながる真人真事(偽りのない真実)です。

 

二〇〇五年から日本僑報社・日中交流研究所が主催している本コンクールも四回目となりました。昨年は「日中文化・スポーツ交流年」の認定事業として、今年は「日中青少年友好交流年」 認定事業としての開催です。

また、在中国日本大使館は第一回から後援してくださっていますが、今回は日本大使賞を設けることを快く承諾くださり、どなたもお忙しい中、受賞作品選出に多大なご関心をたまわりました。この場を借りてあつく御礼申しあげます。

それから、第二回から特別協賛してくださっている日本財団には、このコンクールの継続に多大なご支援をいただいており、心から感謝しております。

 

本年の応募総数は学生の部が一四一大学から一八〇〇編で過去最多、社会人の部では昨年度よりも一層レベルの高い作品が二十二編で、合計一八二二本もの応募があったことを喜ばしく思っております。

今年からインターネットでの応募受付となり、また、論文部門とノンフィクション部門の二部門を設けました。ノンフィクション部門の作品は、当事者が自身の体験から率直に日本人のことを語っているため、鮮烈な印象を受けました。学生の部最優秀賞(日本大使賞)授賞の徐沚さんが書いた「ルミねえ」、社会人の部最優秀賞(日本大使賞)受賞の張桐赫さんが感謝を述べた日本人教師たち…。みな、歴史に名を残したわけではないけれども、市井で日中友好を支えてきた人々です。     

 

作文の書き手たちは、国際交流において「知らない」ということがそれだけで恐れや憎悪の原因となってしまいがちであることに気づき、警鐘を鳴らします。日本人と中国人が時にはコンフリクトを起こしながらも共に歩んできた過程を知ることは、両国間の誤解を解くヒントとなり、新たな青少年交流につながり、ひいてはWINWIN関係の構築の端緒となるのではないでしょうか。

本書が日中双方で広く手にとって読まれ、一人でも多くの「私の知っている日本人」が、「私たちが知っている日本人」となることを願います。

 

多くの作文の中に、日中友好のために「微力ながらも全力を尽くしていきたい」という言葉がありました。私共も普段から何気なく使っている言葉ですが、「言葉の巨人、行動の侏儒」とならぬよう、当研究所はこれからも、「微力ながら…」をまさに文字通り実行していきたいと思っております。

 

                                                                                                                                                          二〇〇八年十一月

 

(※本文は『私の知っている日本人―第四回中国人の日本語作文コンクール受賞作品』より転載。定価1800円、ご注文は上記リンクへ)

 

日中友好への提言2005
壁を取り除きたい国という枠を越えて

第一回受賞作品集『日中友好への提言』

第二回受賞作品集『壁を取り除きたい』

第三回受賞作品集『国という枠を越えて』

中国人の日本語作文コンクールWEBサイト