商旅--(株)天津飯店の王克昌社長
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商旅--(株)天津飯店の王克昌社長
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★目次
序文 不以物喜,不以己悲(于 保田)3
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1.やせた地平線30
2.湯売り小屋に封じ込められた航海士37
3.やしろの陰で泣く少年43
4.巣立ち52
5.洪水がもたらした幸運65
6.終生の友、福沢平八郎73
7.故郷に学校を84
8.戦争の暗雲が立ち込めるなかで96
9.韓国の海に散る105
10.逆境の中の友情120
11.イギリス軍艦の洗濯夫129
12.仁川の大雪138
13.海難事故からの生還151
14.挟み撃ち162
15.異国の恋171
16.炎の中に消えた第七の希望176
17.新たなる旅立ち185
18.成功への道194
19.桜散る202
20.静かに見つめる目214
21.経済特急に乗って224
22.全国を巡る社長232
23.七つの秘訣244
24.十二条の掟254
25.帰郷269
26.切なる願い276
27.一途に思う心282
28.エピローグ291
後書き(王 克昌)294
訳者後書き(仁子 真裕美)296
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訳者あとがき
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本書を初めて手にしたとき、「縁」というものの不可思議さを思わずにはいられなかった。王克昌氏の故郷でもあり、氏が「商旅」の第一歩を踏み出した地、天津。南開大学に設立された「王克昌奨学金」。私が中国語を始めるきっかけとなったのは、まさに南開大学への留学からであり、天津での生活が中国と関わることになった第一歩である。これは、単なる偶然の一致に過ぎないのかもしれない。しかし、私にとっては、目には見えない結びつきを強く意識させられることになった。
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本書は言うまでもなく、王克昌氏の自伝である。航鷹氏の巧みな筆致のもと、氏の生き様が見事に描かれ、読む人をぐいぐいと引き込んでゆく。その凄まじいまでの激動する人生に、あたかもドラマを見ているような感覚に襲われ、いつになったら平穏な日々を迎えることができるのかと、時には、読み続けることが辛くなり、目を閉じ、祈るような気持ちにさせられる。神は一人の人間に、これほどまでの苦難を与えるのかと、信じられない思いである。しかし、王克昌氏は倒れなかった。その度にどん底からはい上がり、立ち向かってゆく。一体その強さは、どこから生まれてくるのであろう。様々な答えの中から、あえて一つだけを取り上げると、己の人生に対し、確固とした「目的」を持っていたからのように思われる。あるいは「志」と言い換えてもいいかもしれない。人は明確な目標を持ったときにこそ、いかんなくその力を発揮できるのだろう。この作品は、挑戦すべき夢を見失い、迷走している我々に、警鐘を鳴らしているのかもしれない。
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また、その全てが事実に基づいているという点においても、本書は示唆に富んでいる。架空な出来事は一つとしてない。今、私たちと同時代に生きている人物が主人公であり、そのことが、大きな勇気を与えてくれる。本書に込められた王克昌氏の、暖かく真摯なメッセージを、心を虚心にして受けとめたいと思う。
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最後に、現在日本を離れているにもかかわらず、本書の翻訳の機会を与えてくださった日本僑報社の段躍中氏、張景子氏に心から感謝申し上げる。また、日本女子大学教授、于保田氏には、お忙しい中、色々なご助言を賜った。この場を借りてお礼申し上げたい。
2002年11月
仁子真裕美
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