在日中国人媒体総覧【品切】
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在日中国人媒体総覧【品切】
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『在日中国人媒体総覧』(段躍中編著・日本僑報社)※【品切】
中野克彦(立命館大学)
在日中国人による中国語媒体は、既に百年をこえる歴史を持っている。特に、1980年代中頃からの展開は目覚ましく、新聞、雑誌等の印刷媒体から、ラジオ、衛星放送、インターネットにいたるまで多様化している。そうした現状を多角的な観点から分析し、各媒体の詳細なデータを収録した『在日中国人媒体総覧』(段躍中編著)が、3月に日本僑報社から刊行された。現在の在日中国語媒体の情報を、これほど包括的に網羅した文献は他に見当たらない。
内容は、「在日中国人メディア概論」「政論新聞から生活情報紙、総合紙へ―日本における中国語メディアの変遷」「在日中国人抗議北約暴行報道総述」(以上、段躍中氏著)といった論文編、資料編をはじめ、主な媒体の連絡先、年表、在日中国人関連ホームページの一覧などである。また、日本初の中国語新聞『東亜報』の研究論文も掲載されている。
資料編には、在日中国人文献資料センター(旧・中国留学生文庫)の所蔵分を中心に、合計159媒体のデータが収録され、その種類は、『留学生新聞』や『中文導報』といった代表的なものから、機関紙・誌、ミニコミまで様々である。重要なのは、休刊された新聞・雑誌がここに含まれていることである。なかには天安門事件を契機に創刊されるなど、後世にその痕跡をとどめる上で貴重な資料が多い。
論文の中で著者は、中国語媒体における特徴の変化を分析し、日常生活のニーズを満たす当初の生活情報紙から、政治・経済等もカバーする総合紙への転換を指摘している(「在日中国人メディア概論」、p7)。これは、在日中国人社会の発展に伴い、中国語新聞が様々な役割を担うメディアとして成熟してきたことを示している。
また、在日中国語媒体の今後の展望について、著者は次のように述べている。「在日外国人の民族的習慣をエスニック文化と呼ぶなら、在日中国人も、中華文化という独特の生活様式や信念体系に裏打ちされたエスニック文化を持っている。しかしかれらも徐々に日本社会に溶け込みつつあり、それにつれて日本社会にも影響をおよぼしつつある。こうした変化は、中国語新聞紙面からもよく読み取れる。今後、中国語新聞はさらに効果的な日中の民間交流を行うであろう」(同上、p10)。論文の中で詳述されているように、最近では中国語新聞の記事が一般の日本のメディアに取り上げられる機会も増えてきた。関係が深まっているこうした状況において、在日中国語媒体の全貌を伝える本書の役割は、日本社会にとっても大きいと思われる。
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以下は『在日中国人媒体総覧』目次です。
論説編と資料編、現在発行中の約40社の連絡先一覧有。
段躍中編著2000年版
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目 次
分類索引:収録媒体分類索引3
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邦字論文:
在日中国人メディア概論/段躍中4
政論新聞から生活情報紙、総合紙へ/段躍中17
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華語論文:
日本華文媒体概論/段躍中11
在日中国人抗議北約暴行報道総述/段躍中15
関于現代日本華文報刊的考察/段躍中29
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媒体資料:
在日中国人媒体年表/段躍中37
主な刊行中媒体の連絡先(電話・FAX・住所)一覧38
128タイトル媒体の詳細データ40
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特別寄稿:
我見到了日本第一家華文期刊《東亜報》原件/王士谷104
私は日本初の中国語新聞《東亜報》を読んだ/王士谷104
最初期在日中国人媒体《東亜報》における新聞論と報道/中野克彦106
日本最早華文報《東亜報》研究/中野克彦110
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特別付録:
日本における中国(中国人)関連の定期刊行物一覧36
中国駐日新聞単位連絡一覧113
日本における中国(中国人)関連HP一覧121
編集後記:在日中国人メディアの更なる発展を目指して/段躍中128
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