日中関係とODA―対中ODAをめぐる政治外交史入門
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日中関係とODA―対中ODAをめぐる政治外交史入門
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【推薦の言葉】
歪みをも含んだ対中"情緒"も蔓延する今日の日本にあって、中国との関係をどう切り結ぶか、具体的な対処案を真剣に描こうとするひとびと、あるいは、日中関係を、国交正常化以来の歩みとして基礎から学ぼうとするひとびとに、本書を薦めたい。 ―菱田雅晴・法政大学教授
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書名 『日中関係とODA―対中ODAをめぐる政治外交史入門―』
著者:岡田 実(おかだ みのる)
判型:A5判、224頁 上製
定価:3800円+税
発行:2008年12月12日
ISBN:978-4-86185-081-3 C0036
ご注文先 http://duan.jp/item/081.html
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◇目 次
日中関係論 今こそ冷静に、原点から見つめ直そう
法政大学教授 菱田 雅晴/3
はじめに/9
第一章 第一の文書「日中共同声明」―1972年
第1節 「日中共同声明」には何が書かれているのか?/18
第2節 なぜ1972年に国交が「正常化」したのか?/23
1.サンフランシスコ条約の締結(1951)/23
2.日華平和条約の締結(1952)/28
3.冷戦構造の変化と米中和解(1972)/40
4.「以民促政」―経済界の中国傾斜と「中国ブーム」/49
第3節 日中国交正常化にはどのような歴史的意義があるのか?/56
1.「1972年体制」をめぐる議論/56
2.中国側から見た「1972年体制」の形成/57
3.日本側から見た「1972年体制」の形成/61
第二章 アジア諸国との戦後処理
第1節 「戦後処理」「戦後賠償」とは何か?/66
第2節 アジア諸国との戦後処理はどのように行われたのか?/69
1.ビルマ/70
2.フィリピン/72
3.インドネシア/74
4.ベトナム/75
5.ラオス/78
6.カンボジア/80
7.マレーシア・シンガポール/82
第3節 韓国との戦後処理はどのように行われたのか?/87
1.財産・請求権問題の所在/87
2.交渉の開始と中断/90
3.交渉の妥結/93
4.韓国との戦後処理に残された課題/98
第4節 中国との戦後処理と他のアジア諸国との戦後処理はどう違うか?/101
1.戦後処理の多様性と共通性/101
2.中国が戦争賠償を放棄しなかったら?/102
第三章 第二の文書「日中平和友好条約」―1978年
第1節 「日中平和友好条約」はなぜ1978年に締結されたのか?/106
1.デタントの崩壊と米中国交正常化/106
2.中国国内政治の「危機」/109
3.日本国内政治の「危機」/112
第2節 対中ODAはなぜ1979年に開始されたのか?−「1979年体制」の政治構造/116
1.中国の外国技術・資金導入政策をめぐる政治過程/117
2.対中ODA開始のプロセス/122
3.「1979年体制」の政治構造とODAの役割/137
第3節 「戦後和解」における対中ODAの意義/145
1.「戦後和解」とは何か/145
2.日中「戦後和解」プロセスにおける「1979年体制」の役割/148
第四章 第三の文書「平和と発展のための友好協力パートナーシップの構築に関する日中共同宣言」―1998年
第1節 なぜ1998年に共同宣言が出されたのか?/154
1.ODA大綱の策定と中国の核実験への対応/154
2.江沢民国家主席の訪日と共同宣言/157
第2節 1990年代後半以降、ODAをめぐってどのような議論があったのか?/159
1.公式論/160
2.否定論/162
3.建設的改善論/169
4.ODA戦略確立論/172
5.中国側から見たODA受け入れの思想/177
第3節 対中円借款はなぜ終了したのか?/179
1.「対中経済協力計画」の策定/179
2.「政冷経熱」現象と対中円借款「卒業」論/180
3.大規模な「反日デモ」の爆発/183
第五章 第四の文書「『戦略的互恵関係』の包括的推進に関する日中共同声明」―2008年
第1節 首脳外交の再開―「破氷之旅」「融氷之旅」から「迎春之旅」「暖春之旅」へ/186
1.「破氷之旅」(氷を砕く旅)―安倍総理の訪中(2006年10月)/186
2.「融氷之旅」(氷を融かす旅)―温家宝総理の訪日(2007年4月)/189
3.「迎春之旅」(春を迎える旅)―福田総理の訪中(2007年12月)/192
4.「暖春之旅」(暖かい春の旅)―胡錦涛国家主席の訪日(2008年5月)/194
第2節 5.12−四川大地震への緊急援助と日中関係の転換/198
1.四川大地震の発生と日本政府の緊急援助実施プロセス/198
2.中国の人々からの感謝の気持ちと世論の変化/201
3.人道援助の意義/206
終わりに―日中平和構築に向けて/209
あとがき/213
参考文献一覧/214
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【著者紹介】岡田 実(おかだ みのる)
東北大学法学部卒業後、民間企業勤務を経て、1988年に国際協力事業団(現独立行政法人国際協力機構、JICA)入団。北京大学留学、JICA中国事務所員、中国援助調整専門家として対中ODAに関わる。2006年法政大学大学院にて政治学修士号を取得(修士論文「対中ODAの始動をめぐる「危機」と「和解」の政治構造―1976-1982を中心に―」)。現在JICA中国事務所副所長。
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