推薦のことば

劉徳有

 

 

日本人の中国語作文コンクールの開催は、いま中国語を学んでいる日本の皆さんの実力を、一定の範囲内で点検評価するものです。

 

日本僑報社がこのコンクールの受賞作品を中日対訳の単行本として出版することは、中日国交正常化35周年と中日文化・スポーツ交流年へ向けての貴重な贈り物です。

 

このコンクールは、増え続けている日本の中国語学習者への励みとなり、両国の人々の友情と相互理解をいっそう深めることでしょう。

 

中国語は架け橋であり、両国の人々の心を結びつける橋渡しの役割を担っています。私は、この架け橋を行き来する人がますます多くなるよう、切に願っております。

 

また、中国語は文化の担い手でもあります。中国語の学習は、その言葉を使う中国社会および中国文化と切り離せませんし、中国の生きた社会および文化的背景や人びとの気持ちを抜きにしては、中国語を真に理解することができません。国際情勢と中国社会の発展にともない、中国語も発展し変化を遂げつつあるので、このような発展と変化を十分に把握すればするほど、新しい状況や事物をより多く理解できるのです。

 

さらに、中国語は交流の手段でもあります。中日両国の文化には共通点もあれば相違点もあります。両国の人々が相互理解を深め、心と感情を通いあわせる上で、文化交流は最良の方式です。母語以外に中国語をマスターすれば、翻訳の仕事に携わることができます。心の架け橋としての翻訳は、双方の異なる言葉を移しかえるだけでなく、異なる思考をも移しかえ、異なる文化を交流します。

 

中国語の学習には、近道などありません。日々の実践と総括を怠らず、その積み重ねによって成果を勝ち取るしかないのです。継続は力なりといわれるように、たゆまぬ努力のみが効果を生みます。頑張り続ける中で、必ず苦しい時期を体験しますが、この苦しみを乗り越えたとき、成功の喜びにひたることでしょう。

 

本書の出版が、転機を迎えた中日関係の推進に役立つことを希望し、確信しております。

 

最後に、今回のコンクール関係者各位に感謝の意を表し、入賞者の皆様に心からお祝い申し上げます。

 

200724日立春  北京にて